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09月16日-04号

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  1. 練馬区議会 2020-09-16
    09月16日-04号


    取得元: 練馬区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-03
    令和 2年 第3回定例会1 日時 令和2年9月16日 午後1時1 場所 練馬区議会議事堂1 出席議員 50名   1番  やない克子議員    26番  うすい民男議員   2番  富田けんじ議員    27番  宮原よしひこ議員   3番  高口ようこ議員    28番  小林みつぐ議員   4番  はしぐち奈保議員   29番  藤井たかし議員   5番  佐藤 力議員     30番  関口和雄議員   6番  松田 亘議員     31番  しもだ 玲議員   7番  土屋としひろ議員   32番  池尻成二議員   8番  白石けい子議員    33番  坂尻まさゆき議員   9番  岩瀬たけし議員    34番  鈴木たかし議員   10番  小川こうじ議員    35番  つじ誠心議員   11番  たかはし慎吾議員   36番  かしままさお議員   12番  野沢なな議員     37番  かわすみ雅彦議員   13番  小松あゆみ議員    38番  上野ひろみ議員   14番  井上勇一郎議員    39番  沢村信太郎議員   15番  かとうぎ桜子議員   40番  島田 拓議員   16番  西野こういち議員   41番  星野あつし議員   17番  柴田さちこ議員    42番  平野まさひろ議員   18番  田中よしゆき議員   43番  福沢 剛議員   19番  のむら 説議員    44番  かしわざき 強議員   20番  石黒たつお議員    45番  小川けいこ議員   21番  酒井妙子議員     46番  小泉純二議員   22番  吉田ゆりこ議員    47番  きみがき圭子議員   23番  田中ひでかつ議員   48番  倉田れいか議員   24番  笠原こうぞう議員   49番  宮崎はるお議員   25番  有馬 豊議員     50番  柳沢よしみ議員1 欠席議員 なし1 出席理事者   前川燿男   区長       中田 淳   福祉部長   小西將雄   副区長      吉岡直子   高齢施策担当部長   山内隆夫   副区長      佐古田充宏  健康部長   河口 浩   教育長      高木明子   練馬区保健所長   宮下泰昌   技監       健康部長兼務 地域医療担当部長   毛塚 久   区長室長     市村 保   環境部長   森田泰子   企画部長     技監事務取扱 都市整備部長   企画部長事務取扱 区政改革担当部長 平林 明 土木部長   生方宏昌   危機管理室長   木村勝巳   教育委員会事務局   堀 和夫   総務部長            教育振興部長   関口和幸   産業経済部長   小暮文夫   教育委員会事務局   産業経済部長兼務 都市農業担当部長      こども家庭部長   小金井 靖  地域文化部長   大窪達也   総務課長1 出席事務局職員   臼井 弘   事務局長     青木 亮   議事担当係長   齋藤新一   事務局次長    石原慎太郎  議事担当係長   清水 聡   議事担当係長1 傍聴者数 8名1 議事日程  日程第1 一般質問                                 以上 ◎事務局長 ただいまの出席議員数50名でございます。      午後1時0分開議 ○小泉純二議長 ただいまから本日の会議を開きます。 この際、議席の変更についてお諮りいたします。 会議規則第4条第3項の規定により、お手元に配付いたしました議席変更表〔別掲〕のとおり、議席をそれぞれ変更したいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉純二議長 ご異議なしと認めます。よって、議席変更表のとおり、それぞれ議席を変更することに決定いたしました。 これより日程に入ります。 日程第1・一般質問を行います。 順次発言を許可いたします。 18番・田中よしゆき議員    〔18番田中よしゆき議員登壇〕 ◆田中よしゆき議員 マスクを外させていただきます。 私は、練馬区議会自由民主党を代表し、一般質問を行います。区長はじめ関係理事者の誠意ある答弁を期待いたします。 まず、質問に入る前に、先般の台風10号で被災された皆様、また九州や中部地方など、日本各地で発生した令和2年7月豪雨により亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。被災された地域の一日も早い復興を願うものであります。 7月3日から13日にかけて、梅雨前線が活発化し、また、線状降水帯が停滞した影響もあり、九州北部地方を中心に大雨となり、道路や橋梁の損壊など甚大な被害が生じました。また、多くの人命やまちが失われる結果となりました。 そこで、はじめに、練馬区における治水対策についてお伺いします。 昨年10月に東日本に上陸した台風19号は、練馬区に関連する豪雨として記憶に新しいところです。激甚災害および特定非常災害に指定され、令和元年東日本台風と43年ぶりに命名されるほど、非常に勢力のある強い台風であり、区内でも総雨量344ミリを観測しました。石神井川の警戒放送が遠くのほうで鳴り響き、とても不安な時間を過ごしましたが、これまで実施された河川改修や目白通りの地下に設置された白子川地下調節池などが機能したことで、幸い甚大な被害は発生しませんでした。 治水事業は、河川、下水道、流域対策それぞれが役割を果たすことで効果を発揮します。現在、区内で、東京都による河川改修や貯留施設の工事が行われていますが、新型コロナウイルス感染症による工事への影響がとても気になります。そこで、現在の区内河川の改修状況と調節池の整備状況はどのような状況なのかお伺いいたします。 東京都による河川改修や貯留施設の建設だけでなく、区が行う流域対策も治水対策を担う重要な事業です。練馬区は市街化が進み、市街地特有の都市型水害が懸念される中で、流域対策の促進は下水道や河川への負担を軽減し、水害を減少させる治水安全度の向上に不可欠なものとなっています。流域対策を含む区の治水の取組を示す練馬区総合治水計画は、平成2年に策定され、平成23年度に改定されており、区民の生活や財産を守るために重要な計画であります。 現計画では、都と区の役割分担として、区が担う流域対策については、公共施設および民間施設合わせて、令和3年度までに約55万5,000立方メートルの対策目標が示されております。今回、練馬区総合治水計画の改定作業を進め、素案を公表するとのことですが、主な改定内容についてお伺いします。 次に、水災害への対応についてお伺いします。 近年、台風接近前に行政が取り組むべき内容を時系列で示した行政のタイムラインが注目されています。これまでも台風などの水災害では、タイムラインが未策定であったり、策定されていても機能しないことで被害が拡大してしまった事例が報道されています。適切な災害対応を取るため、タイムラインは重要だと考えます。 練馬区においては、出水期前に当たる本年5月に行政のタイムラインを策定し、7月にはタイムラインに基づく対応を確認するため、災害対策本部会議コールセンターの設置、避難所開設を柱とする水災害訓練を全庁挙げて実施したと伺っております。こうした水災害に対する区の取組が充実していくことを高く評価いたします。 ただ、タイムラインは、実効性を伴うことが重要であります。そこで、タイムラインの具体的な内容と実効性の確保について、区のご所見をお伺いします。区では、これまで台風接近時における情報発信として、ホームページやツイッター、メールなどで区民へ情報を周知しておりますが、高齢者をはじめ、インターネット環境が整っていない区民は、困ったときに区役所へ電話をかけることが多く見受けられます。しかしながら、電話がつながりにくい状況が度々発生していると仄聞しております。 区は、今後新たな取組として、台風接近前日にコールセンターを設置し、避難所開設状況や事業、施設の休止情報など、区民からの問合せに対応することとしております。コールセンターの設置は、大変有用であると考えますが、つながらなければ意味がありません。また、コールセンターへの問合せの回答も、通り一遍の対応では済みません。その人の住んでいる場所や年齢によって、回答が異なることが想定されます。様々な状況下にある人々の気持ちを理解できる人材の配置が必要と思います。台風接近前日に設置するコールセンターで、どこまで正しい対応ができるのか、不安が残ります。区は、どのような態勢で臨まれるのかお伺いします。 地域によっては、避難所へ1人で避難することが難しい方が存在します。震災時には、安否確認や避難について示されていますが、水災害時はどのような対応をするのでしょうか、お伺いします。 今すぐ助けに来てほしいとコールセンターが連絡を受けても、対応は困難だと思います。事前の避難を呼びかけるのが区の役目であるということは理解していますが、いざというときには手も足も出ない状況が発生すると思いますが、その点はいかがお考えかお伺いします。 日頃から、川沿いに住んでいる住民の意識改革を促進することも必要かと思います。命を守る行動を、といくら呼びかけても、過去の経験から、このくらいなら大丈夫だろうとか、川があふれたらもう諦めるとか、プライバシーのない避難所に行くのは嫌だなど、様々な心理状況により、家を離れたくないと思っている住民が少なからずいるということを理解していただきたいし、私もその1人かもしれません。結果として、そういう人たちが逃げ遅れ、立ち往生するのであります。 大雨警報や洪水警報などの情報を得た後に、いかに行動に移すか。つまり、情報と行動をいかに連動させるかという啓発を続けていただきたいと要望し、この項目を終わります。 次に、避難拠点の運営についてお伺いします。 災害対策は、台風などの大雨による水災害対策だけでなく、地震による震災対策も必要です。震災時は、区立の小中学校に避難拠点が開設され、多くの被災者が避難拠点に身を寄せることとなります。新型コロナウイルス感染症禍における避難拠点の運営については、マスクの着用、手や指の消毒、発熱やせき症状のある避難者の専用スペースの確保等、避難所における感染予防対策を定めた運営マニュアルを作成し、避難拠点で活用していくと伺っております。現在、避難拠点の訓練など、活動が困難な中、避難拠点運営連絡会の関係者でどのように共有し、実効性のあるものとしていくのか、区の考えをお伺いします。 また、わが会派からの提案で導入されることとなった避難所用屋内テントは、全避難拠点と集中備蓄倉庫に配備し、災害時に活用することとしています。このテントを活用することで、飛沫感染予防等感染防止対策が取れると考えますが、具体的には、各避難拠点にどのように配備、活用されるのかお伺いします。 また、避難拠点では、密集や密接の回避に加え、窓などを開け、十分な換気により密閉を回避することが必要です。暑くても寒くても、必要な換気を行わざるを得ません。震災時の避難拠点となる小中学校の体育館については、空調設備の整備を進めていますが、全体育館に設置されるまでには、まだ時間がかかります。新型コロナウイルス感染症対策としては、エアコンを使用する場合であっても、1時間に2回程度は窓を開け、外気を取り入れることが必要とされています。 そこで、わが会派からの提案で、以前、各小中学校の体育館に3台ずつ配備した大型扇風機の活用が有効であると思います。様々な場面で大型扇風機を有効活用すべきと考えますが、区としての考えをお伺いします。 この項目の最後に、避難拠点の開設、運営を支える避難拠点運営連絡会についてお伺いします。 避難拠点運営連絡会は、地域住民で構成され、震災時に区や学校職員と協力して、避難者の受入れや在宅避難者への支援を行い、避難生活を支えていく重要な役割を担っています。そのため、日頃から会議や訓練を通じて、災害対応のための情報の共有や技術の向上に取り組んでいます。 近年、避難拠点運営連絡会の担い手不足により高齢化が進み、活動への参加も困難な方が増えていると耳にします。運営連絡会の方々の活動が低下することで、発災時の避難拠点の運営にも支障が出ることが懸念されます。いざ発災となれば、地元の町会、商店会、民生委員、消防団等が一体となって避難所の運営をせざるを得ませんが、避難拠点運営連絡会の高齢化について、区としてどのようにお考えなのか、今後どのように人材確保していくのかお伺いします。 また、公助、共助だけでなく、区民自らの自助、つまり自らハード、ソフト両面の備えを強化することも重要です。これまで以上に区民へ避難行動の周知を図るとともに、区民の生命と財産を守るため、区の不断の努力を要望し、この項目を終わります。 次に、商店街振興についてお伺いします。 緊急事態宣言に伴う外出自粛や営業休止などの影響を受け、景気が回復するまでには時間がかかると思います。こうした状況の中、区内の中小企業の経営は非常に厳しく、商店街についても同様です。商店街では、来街者が大幅に減少し、各店舗は売上げ減少の大打撃を受けています。 私の地元でも、商店街の通りは閑散としており、テイクアウト商品を運ぶデリバリーの自転車ばかりが目立つような状況でした。新型コロナウイルス感染症が長期化する傾向なので、まだまだ気が抜けない状況が続くことが想定されます。 こうした状況を受け、区では、商店街を支援するために、練馬区商店街連合会と協力し、プレミアム率が過去最高の30%となるプレミアム付商品券事業を実現されたことを高く評価いたします。今回のプレミアム付商品券事業は、感染症対策を講じながらの実施となりました。これまでの直接販売ではなく、ウェブやはがきでの事前申込制とし、販売組数は全部で13万組となっていました。事前申込みでは、約2倍となる申込みがあり、大変盛況であったと伺っています。まずは、今回の申込みの状況や区民からの意見などについて状況をお伺いします。 また、今回のプレミアム付商品券では、少しでも多くの購入につながるように、1人当たり10万円まで購入が可能となっていました。今更ながらですが、約半分の方々が購入できないほど申込みが多かったのなら、購入限度額は5万円ぐらいにとどめておいてもよかったのかと感じております。前回の購入限度額は2万円でした。次回以降、プレミアム付商品券事業を実施される際は、今回の状況を参考に、より多くの区民に満遍なく行き渡るような金額設定や応募方法を検討するべきと考えますが、区のご所見をお伺いします。 次に、商品券が使える店舗について伺います。 今回は、売上げが落ち込んだ商店街を応援することを目的としているため、区内共通商品券が使える約1,300店の店舗が対象となっています。昨年度実施したプレミアム付商品券事業では、消費喚起策もあったため、大型店も含めた形で広く公募を行っていました。今回は、早期に商店街を支援するため、時間的に公募を行うことは困難だったと思いますが、地域によっては商店街がない、もしくは商店街があっても商品券が使える店舗がごく僅かという地域もあります。ぜひ次回以降、商品券事業を実施する際には、商店街がない地域や商品券が使える店が少ない地域においては、大型店も含めた形で広く公募を行っていただきたいと思います。 今回のように、特別に実施するプレミアム付商品券事業では、商店街支援はもちろんのこと、区民が買物しやすくしていくことも必要かと思います。そのためにも、練馬区商店街連合会にお任せするだけではなく、区も積極的に協力し、商品券が利用できる店舗を増やしていくことが必要と考えます。区のご所見をお伺いします。 現在、高齢者への敬老祝品に区内共通商品券を配付しています。配付している民生委員から、使えるお店を増やしてほしいというご意見をいただきます。更に言えば、立野町では使える店が自転車屋さん1軒だけで、敬老祝品に区の商品券をもらっても仕方がないので、ほかのものも選べるようにしてほしいという要望を頂きます。 今後、敬老祝品を区の商品券だけではなく、利用の幅を広げるために様々な工夫を図り、ほかの記念品なども選択できるようにして、区民サービスの向上や受け取った人の満足度アップにつながるよう、事業の見直しを検討していただきたいと要望いたしますが、区のご所見をお伺いします。 次に、教育ICTについてお伺いします。 昨年夏、区立小中学校大型ディスプレイ教員用パソコン、実物投影機を配備し、教育ICT環境の基礎部分ができました。そしてタブレットの配備は、来年度から3か年かけて、1人1台を実現する予定としていました。しかし、新型コロナウイルス感染症による学校休校が発生し、文部科学省は災害や感染症の発生などによる学校の臨時休業などの緊急時においても、ICTの活用により、全ての子どもたちの学びを保障できる環境を早期に実現するように強力に推進しました。 練馬区は、この機を捉え、区立小中学生に1人1台、約4万7,000台を今年度1年で配備することとなりました。年度末までに配備を完了するために、事業者選定や機種、仕様などを検討していることと思います。また、台数が非常に多く、一括納入できる業者を見つけることは困難だと思われます。今後、どのような手順で配備していくのか、また、どのような機種、仕様のタブレットとなるのかお伺いします。 Wi-Fi対応ではなく、利用場所を問わないLTE回線とする旨を伺っていますが、学校での保管方法、学校から持ち出すときのルール、使用方法などもきちんと定めておかねばなりません。先行して配備している他自治体の事例をよく研究する必要もあるかと思います。学校でタブレットを使用する際は教員が直接指導できますが、生徒が自宅に持ち帰り使用する際に、教育目的以外で使用しないようにしっかり指導するとともに、保護者に対しても注意喚起し、理解を得なければなりません。 また、今回のように学校が休校となる期間が長引いた場合、オンライン授業を実施したとしても、生徒が自宅で45分ほどの授業を1日に5時間程度画面を見続ける集中力が持続しないであろうし、特に低学年の児童は、保護者の協力や援助が必要となります。子どもが学校に行っている間に仕事をしているような保護者にとっては負担も増え、本来学校や教員がやるべきことを保護者に協力していただかなければならない事態もあり得ます。学校側の努力が平時より必要になるとともに、保護者の理解、協力を得る努力も必要ですが、区はどのようにお考えかご所見を伺います。 平時における授業でタブレットを使用する際は、今まで以上に教育効果が上がるような利用方法を考えなければなりません。そのためには、まず教員がタブレットを使いこなし、様々な工夫をする必要がありますが、学校間や教員間でスキルが違うということのないように、しっかりと研修を行わなければなりません。なおかつ、教員の負担が過度に増えてしまってもいけません。教育効果を上げるための研修や情報共有をどのように行っていくのか、区のご所見を伺います。 民間の予備校などでは、何年も前から有名講師のサテライト講習オンデマンド講習などを行っています。全国どこにいても同じ授業が受けられる仕組みであります。練馬区も緊急事態宣言中に区教育委員会公式YouTubeチャンネルを開設し、9本の動画を掲載しましたが、運動やストレッチなど、内容も撮影場所も様々な面でクオリティーが高いとは言い難いものであります。今後、指導スキルの高い教員による、学習効果が向上するようなクオリティーの映像授業を行っていくことも必要だと考えますが、区のご所見をお伺いします。 次に、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業および沿線まちづくりについて、お伺いします。 今年3月に予定していた連続立体交差事業等都市計画案説明会は、開催延期となりました。練馬区の西部地域における都市基盤整備の遅れを解決することは、区の重要な課題であり、コロナ禍の厳しい環境であっても着実に取り組んでいかなければなりません。特に、西武新宿線連続立体交差事業は、上石神井・関町地域における悲願とも言え、区にとっても重要な事業であります。 そこで、3月に開催延期をしている連続立体交差事業都市計画案説明会を東京都と連携し、感染対策を十分に取った上で、早期に開催していただきたいと考えます。今のままでは計画が半年遅れ、1年遅れ、更に遅れていく可能性もあります。この遅れが今後どのように影響してくるのか、また説明会の早期開催により遅れは取り戻せるのか、区のご所見をお伺いします。 また、説明会の開催に当たっては、会場内の人数制限を行い、その代わり開催回数を増やし、質疑応答は個別対応として開催時間を短縮するなど、従来の開催方法とは違う新たな方法を検討し実行すべきと考えますが、区のご所見をお伺いします。 次に、上石神井駅周辺、武蔵関駅周辺、上井草駅周辺のまちづくりについてお伺いします。 沿線各駅周辺では、これまでに町会、商店会など、地域の方々と協働してまちづくりの検討を行い、まちづくり構想を策定するなど、連続立体交差事業に併せて進めていくべきまちの将来像を既に定めております。このまちづくり構想に基づき、駅周辺ではまちづくりルールの策定に向けた検討や、市街地再開発事業をはじめとした建築物の共同化に向けた地権者による検討がスタートしています。 上石神井駅周辺では、南北道路、交通広場となる都市計画道路、外環の2が平成30年12月より事業着手し、用地取得が少しずつ進んでおり、新たなまちの姿に向けて動き出しています。 駅のすぐ西側には、外環の2が整備され、東側には西武鉄道が所有する車両留置施設があり、この施設は連続立体交差事業に合わせて規模を縮小し、残る敷地は区と相談しながらその利用方法を検討すると、昨年の説明会で西武鉄道が答えています。 そこで、駅周辺に外環の2を横断するペデストリアンデッキを設置するなどして、東西方向の分断を回避し、更には車両留置施設跡地にできる施設にも連結し、回遊性を持たせたまちづくりを具体的かつ積極的に検討していくべきと考えますが、区のご所見をお伺いします。 武蔵関駅周辺においても、連続立体交差事業に合わせて、都市計画道路補助230号線、補助135号線の2つの路線が計画されています。この2つの路線も早期に事業着手すべきと考えます。特に、補助230号線については、武蔵関駅の間近に計画され、将来は交通広場へアクセスする重要な道路であり、その交通広場付近においては、石神井川の河川改修工事も重なる箇所があります。年内には現況測量に着手すると聞いていますが、いつ頃の時期に事業認可取得を目指していく考えでしょうか。 また、武蔵関駅周辺では、事業の完了後も練馬区登録文化財である、関のぼろ市が開催できる都市基盤整備のあり方を具体的に検討すべきと考えます。区のご所見をお伺いします。 上井草駅周辺まちづくりでは、下石神井商店街通りの活性化を図る再整備の方法など、様々な課題を有しております。都市計画道路の整備は、権利者の協力が必要不可欠であり、丁寧な説明が求められます。納得して協力いただくまで、多くの時間を費やす事業であるため、早期に準備し、事業着手に向けて積極的に推進することが必要と考えます。 私は、議会において様々な場面で、地権者に対し丁寧な説明と、生活再建に十分な補償を、と繰り返し述べてきましたが、区はどのような対応をしていくのか、ご所見をお伺いします。 最後に、高架下の活用についてお伺いします。 気の早い話となりますが、西武新宿線の立体化が完成した暁には、ぜひ西武鉄道に働きかけ、高架下の活用を図り、地域のにぎわいを創造していただきたいと要望いたします。 JR東小金井駅から武蔵境駅区間、約1.7キロの高架下は、「コウカシタ・ヒガコインキュベーション」という創業支援施設があり、大小様々なブースにいろいろな業種の事務所や店が出店しており、それを目当てにウインドーショッピングをしつつ散歩する人が多く、新たなにぎわいを生んでいます。 今までは、駅中心のにぎわいしか考えてこなかったかと思いますが、武蔵関駅から上井草駅の高架下にもにぎわいを創造できるのではないかと考えております。西武池袋線の大泉学園駅から石神井公園駅区間、約1.9キロの高架下は金網フェンスで閉ざされており、実に殺風景であります。ぜひ産業経済部も高架下活用事例を検証し、区が高架下を借りて直接何かをするのではなく、西武鉄道に対し様々な提案を行うなど、積極的に働きかけ、新たなにぎわいを創造していただきたいと要望いたしますが、区のご所見を伺います。 以上で、私の一般質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 水害対策についてです。 大型化した台風や線状降水帯による集中豪雨などにより、過去に経験のない災害が全国各地で発生しています。練馬区でも、近年の台風や大雨によって様々な課題が浮き彫りになり、災害対策再点検を実施した結果、対応策の一つとして、5月に行政のタイムラインを策定しました。台風接近4日前から情報収集、検討を始め、2日前に保育所やごみ収集など、施設、事業の継続可否、避難所開設を決定します。その後、7月には、全庁を挙げてタイムラインに即した訓練を行ったところであり、今後とも、より実効性のあるものとしていきます。 昨年度から、区民の皆さんには台風接近時の行動を一人ひとりが、あらかじめマイ・タイムラインとして作成するようお願いしてきましたが、行政のタイムラインがなかったため、作成しにくかったのではないかと考えています。 今年度、水害リスクが高い関町地区で、地域別防災マップを活用した訓練を地域の皆さんとともに実施します。行政のタイムラインをお示しし、これと連動するマイ・タイムラインを作成していただくよう働きかけていきます。今後、こうした取組を、旭町地域をはじめ、他の地域にも広げてまいります。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、副区長、教育長、技監および関係部長から答弁いたします。    〔小西將雄副区長登壇〕 ◎小西將雄副区長 私から、治水対策についてお答えいたします。 昨年の台風19号による豪雨災害は、これまでの想定をはるかに超えるものでした。今年も7月に九州から中部地方にかけて記録的な大雨が甚大な被害をもたらしました。こうした事態への備えを欠かすことができない時代に入っています。 区は、流域対策により、河川や下水道への負担を軽減することを目的とした練馬区総合治水計画を定め、1時間当たり5ミリに相当する55万5,000立方メートルを対策の目標とし、これまでに約54万8,000立方メートルの流域対策を実施してきました。 東京都は、豪雨対策を強化するため、区部については、1時間当たり75ミリの降雨までは浸水被害を防止することを目標としています。現在改定を進めている練馬区総合治水計画では、このうち1時間当たり10ミリに相当する流域対策を進める考えです。目標年次を令和19年度とし、72万5,000立方メートルを目標対策量として設定します。 内水氾濫等に対応するため、公園などの公共施設を活用し、雨水浸透施設の設置を進めます。また、適正な維持管理を行い、雨水流出抑制施設の長寿命化を図るため、新たに維持管理マニュアルを作成します。 次に、東京都が実施している区内河川の護岸整備と調節池の整備状況についてです。 都は、1時間当たり50ミリの降雨に対応する護岸整備を進めており、令和元年度末時点で、練馬区内の石神井川では81%、白子川では25%の整備率となっています。 区内の調節池については、4か所、約49万2,000立方メートルが整備されています。これに加え、1時間当たり15ミリ相当に対応できるよう、令和7年度の完成を目指し、約68万1,000立方メートルの環状七号線地下広域調節池、約9万立方メートルの城北中央公園調節池Ⅰ期工事に着手しています。 今後、新たな総合治水計画に基づき、1時間当たり75ミリの降雨に対応するため、東京都で実施している河川、下水道などの整備と連携して、流域対策を進めていきます。 私からは以上であります。    〔河口 浩教育長登壇〕 ◎河口浩教育長 私から、教育に関するご質問にお答えいたします。 ICTの活用についてです。 タブレットパソコンについては、本年5月の補正予算において、全校配備する経費を計上しました。入札により、機器の調達や回線等の事業者選定を終え、年度末までに全児童・生徒への配備を完了します。現在、どのように各校に配備するかなどについて、事業者と実務的な検討を進めています。配備されるまでの間に、コロナ禍における学級単位での臨時休業等が起こった場合にも対応できるよう、教育委員会において一定数のタブレットをストックする考えです。 タブレットは、使用場所を選ばないLTE回線とするとともに、モデル校における効果検証を踏まえ、使いやすく起動時間が早い機種を採用しました。 児童・生徒が家庭に持ち帰ることも想定しており、適切な利用のためには、保護者の理解と協力が欠かせません。そのため、家庭向けマニュアルなどを作成し、保護者会等において丁寧な説明を行ってまいります。 また、教員のICT活用スキルの向上も重要です。今年度は、先行してタブレットを配備しているモデル校2校で研究発表会を実施し、タブレット等を活用した授業づくりのノウハウを学べる機会を設けるとともに、全教員を対象としたタブレット操作講習会を実施します。また、学校を巡回して授業等の補助を行うICT支援員を今年度増員し、積極的な活用を促しているほか、ICTが効果的に活用された事例などを収集して情報発信するなど、教員のICT活用技術の向上を図り、利活用の促進につなげてまいります。 教育委員会の公式動画チャンネルは、臨時休校延長への対応として急遽作成したものです。今後は、より見やすい動画となるよう改善してまいります。 私からは以上であります。    〔宮下泰昌技監登壇〕 ◎技監 私から、西武新宿線連続立体交差事業および沿線まちづくりについてお答えします。 西武新宿線連続立体交差事業については、本年3月に、連続立体交差化、側道、駅前広場の都市計画案および連続立体交差化の環境影響評価書案の説明会を予定していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、やむを得ず延期しました。現在、一日も早く説明会が開催できるよう、東京都と連携し、準備を進めています。 説明会の開催に際しては、感染防止対策を実施した上での定員設定や回数増加に加え、会場にお越しいただかなくても説明内容をご覧いただけるよう、ホームページ上への資料掲載、区立施設を利用した説明動画の上映など、地域の皆様への十分な説明機会の確保に努めてまいります。 説明会の延期により、都市計画決定の時期は当初予定より若干遅れることが見込まれますが、事業全体のスケジュールが遅れることのないよう、引き続き連続立体交差事業の早期事業化に全力で取り組んでまいります。 次に、沿線まちづくりについてです。 上石神井駅周辺では、連続立体交差事業の実施に併せて、交通広場を含めた都市計画道路、外環の2を整備します。また、駅東側に位置する車両留置施設が縮小され、新たな土地利用が行われることが想定されます。こうした整備が進んでいくと、駅周辺の人の流れは変化していくと考えます。 現在、鉄道と交差する道路、車両留置施設の新たな土地利用に関連する道路、外環の2の歩行者横断方策などについて、鉄道事業者など関係者と協議を始めたところです。駅周辺の安全な交通環境の確保や歩行者の回遊性が向上するまちづくりに取り組んでいきます。 武蔵関駅西側に位置する都市計画道路補助230号線の青梅街道から新青梅街道区間については、駅北側に新たに計画する交通広場と一体的に整備する必要があります。年内に現況測量に着手し、連続立体交差事業と同時期の事業認可取得を目指して進めてまいります。 また、本地区では、関のぼろ市や、同時に行われる万灯行列が、地域に親しまれた歴史ある大切な催しとなっています。こうした行事が引き続き開催できるよう配慮した上で、安全で快適な歩行者空間、人々が憩い、交流できる空間を確保する都市基盤を整備していきます。 都市計画道路の整備は、関係権利者の理解と協力がなければ、円滑に事業を実施することはできません。事業の具体化に際しては、その進捗に併せて、計画内容、実施時期、補償内容など、適宜、適切な時期に丁寧な説明を行い、理解を得ながら進めてまいります。 私からは以上です。    〔生方宏昌危機管理室長登壇〕 ◎危機管理室長 私から、災害対応についてお答えいたします。 はじめに、水災害時のコールセンターについてです。 コールセンターへの問合せに適切に対応するには、水災害に関する知識と経験が求められます。これまでは、危機管理室職員が対応してきましたが、危機管理室OBと第1次非常配備態勢職員も動員いたします。多くの問合せに対応するため、臨時に10回線を増設し、つながりやすく丁寧な対応を目指します。人命救助に関する通報については、状況を確認した上で、救出、救助の役割を担う消防署につないでまいります。 次に、水災害時に1人で避難することが難しい方への対応についてです。 要介護3以上の高齢者や障害者などを抽出した避難行動要支援者名簿を基に、水災害時要支援者名簿を今年度作成しました。名簿には、水害ハザードマップで2メートル以上の浸水区域にお住まいで、避難支援が必要と申出のあった47名の方を搭載しています。関町福祉園などの3か所を新たに水害時福祉避難所と位置づけました。台風接近2日前に、区が水害時要支援者へ個別に連絡し、協定を締結したリフト付福祉タクシー事業者が自宅から水害時福祉避難所まで送迎する体制を整えています。 次に、避難拠点の運営についてです。 避難拠点におけるマスクの着用、手、指の消毒、発熱やせき症状者の専用スペースの確保など、新型コロナウイルス感染予防対策を盛り込んだマニュアルを作成しました。今月12日には、区職員、学校教職員の避難拠点要員により、マニュアルを活用した訓練を実施し、避難拠点運営連絡会の皆様にも33の拠点で参加いただきました。今後、順次開催する運営連絡会との拠点会議において、内容を共有し、訓練を重ねながら実効性の向上を目指します。 避難所用屋内テントについては、各避難拠点に8張り、集中備蓄倉庫にも配備します。感染症対策にも効果が期待されるため、発熱やせき症状者の専用スペースなどで活用します。各小中学校に配備している大型扇風機については、避難拠点における暑さ対策に加え、設置位置なども工夫して、感染予防対策にも活用してまいります。 避難拠点運営連絡会は、日頃から防災訓練の実施や防災意識の向上への取組など、様々な活動を行っています。また、発災時には、避難拠点の設営、避難者の受入れ、避難者への情報連絡、食事や物資の配給、衛生管理など、避難所生活を支える大切な役割を担っていただいています。 地域防災力を維持向上するためには、運営連絡会を担う人材が必要で、高齢化による人材不足は、今後の拠点運営の課題と考えています。そのため、今年度から開始した、つながるカレッジねりま、防災分野・共助コースを受講した方や、防災学習センターで女性防災リーダー育成講座などを受講した方を、運営連絡会の担い手としてつなげていきます。また、避難拠点の防災訓練や会議などに参加したPTAや地域の区民の方にもご協力いただけるよう、町会や運営連絡会と連携しながら働きかけてまいります。 私からは以上です。    〔関口和幸産業経済部長登壇〕 ◎産業経済部長 私から、商店街振興についてお答えいたします。 はじめに、練馬区商店街連合会が実施するプレミアム付商品券事業の申込状況等についてです。 販売組数13万組の募集に対し、2.3倍となる約29万9,000組、約2万8,000人の応募がありました。このうち、約1万2,000人が当せんされています。区民の方からは、商品券の申込方法や引換え方法、利用店舗など、多くの問合せを頂きました。購入限度額や応募方法など、今回の結果を練馬区商店街連合会と検証してまいります。 次に、商品券の利用店舗についてです。 今回の商品券事業では、プレミアム率を過去最高の30%として、区がプレミアム分を支援しています。事業実施に併せて、商品券の利用店舗を募集しており、飲食店など新たな店舗を増やすよう努めます。引き続き、練馬区商店街連合会と連携しながら、利用店舗の募集を進め、会員店舗の確保に努めてまいります。 次に、高架下の活用についてです。 都内には、鉄道高架下を活用し、創業支援施設の設置や飲食店、工房、イベントスペースなどが連なり、新たなにぎわい空間を創り出すなどの様々な事例があります。西武新宿線については、現在高架式による連続立体交差化の計画が進められています。鉄道の高架下は、その一部を公共の用に供することができますが、基本的には鉄道事業者が活用します。活用に際しては、沿線地域のまちづくりに資する利用となるよう、事業の進捗に併せて、鉄道事業者など関係者と協議を行ってまいります。 私からは以上です。    〔吉岡直子高齢施策担当部長登壇〕 ◎高齢施策担当部長 私から、敬老祝品についてお答えいたします。 区は、長年にわたり社会に貢献されたことに敬意を表し、長寿を祝福するために、敬老祝品として区内共通商品券を贈っています。区内経済振興に一定の効果を与えているものと考えておりますが、商品券の取扱店が限定的で使いにくいとの声をいただいています。 区は、練馬区商店街連合会と連携して、取扱店の拡充や配達等に対応する取扱店を明示するなど、商品券の利便性向上に努めてきました。今後、コロナ禍が財政に与える影響や高齢者の方の利便性を勘案した上で、事業の見直しを図ってまいります。 私からは以上です。 ○小泉純二議長 次に、1番・やない克子議員    〔1番やない克子議員登壇〕 ◆やない克子議員 生活者ネットワークを代表して一般質問を行います。 はじめに、新型コロナウイルス感染症対策について区長の考えを伺います。 今年も9月半ば、この間、私たちは未知のウイルスと呼ばれる新型コロナウイルスに翻弄され、多くの区民がその暮らしにも影響を受けています。そして、収束の見通しが立たないことに不安を拭えないままです。 区長は、感染症への対応について、区民、現場の声を受け止め、実態に合わせて必要な事業を重点的、機動的に実施していくと所信表明で述べています。区は、感染症対策として、5月、6月、8月、そして今定例会と4回の補正予算を編成し、医療提供体制の充実や区内医療機関でのPCR検査体制の構築などが実現しています。 しかし、残念ながら区民に十分な情報が届かず、安心につながっているとは言えません。「もし自分や家族の感染が疑われたら、感染したらどうなるのか」、「PCR検査は必要なときに受けられるようにしてほしい」という、区民の切実な声が後を絶たないからです。 症状があったのにPCR検査を受けられなかった、診察を拒否されたなど、実際に知り合いが訴えているのを見聞きしている区民にとっては、3月、4月の感染拡大当初のイメージが払拭されていないのではないかと考えます。区民の漠然とした不安に応えるための区長の発信力が問われています。新しい検査体制など、新型コロナ感染症に関するメッセージを区長自らが発信すべきと考えます。区長のお考えをお聞かせください。 厚労省が6月に実施した抗体保有検査で、東京都は0.1%の結果でした。同じ頃、私たちは、友人、知人に声をかけ、希望者を募り、医師の協力の下、抗体検査を実施しました。検査キットは国立感染症研究所が感染者を対象に行った検査で、感染後期に高くなる免疫グロブリンGの感度が2週間後96.9%だったと報告されているクラボウ社製と、厚労省が6月の抗体検査で使用したロシュ社製を使用しました。現時点で221名が検査を実施し、2名の陽性が確認されました。 私たちが行った抗体検査と、それに伴う聞き取り調査から分かったことは、濃厚接触者とされず、発熱などの症状もないためにPCR検査の対象にならなかったけれど、実際に感染していた人がいたという事実です。症状がないまま、ふだんの生活を送っている人たちが感染拡大の原因になっていないか、感染のスピード、感染の広がりや集積性などを確認する必要があると考えます。 東京新聞が都内31保健所にアンケート調査を実施し、現在保健所が担っている、感染拡大防止を目的に行われている感染者の行動履歴や感染経路の調査について、負担が重いこと、4割の保健所が見直すべきと回答していることが9月6日に報道されました。また、区長も、疫学調査の見直しを含めた国への働きかけも視野に、各区保健所や東京都と協議を進めると述べています。 この調査によれば、感染が再拡大した7月以降、経路を7割以上特定できた保健所は3か所しかありません。戦略的な調査をすべきとする専門家の発言は、調査の緩和にならないか、症状のない感染者からの感染拡大を抑えられないのではないかと懸念します。 感染症拡大で、これまでの制度改革で削減されてきた保健所の課題が露呈しました。今必要なのは、新型ウイルスとその感染症の特性を徹底的に解明し、情報公開することであり、そのための疫学調査は不可欠と考えます。行政として、公衆衛生的感染症予防に取り組むための早急な支援と、今後新たなウイルス感染症の発生が絶対にないとは言えない将来に向けて、保健所機能・体制の拡充や人材育成を国や都に強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、男女共同参画施策について伺います。 4月初め、区内の中学生から、なぜ今年度から男女混合名簿になったのでしょうかとメッセージが届き、驚きました。教育委員会に確認しましたが、校長会では混合名簿を採用するように働きかけたが、新型コロナ感染症の対応に追われて、名簿の状況を把握できていないとのことでした。 夏休みを迎え、改めて確認したところ、今年度末までに全校で男女混合名簿を作成することになっている、また、健康診断や男女別授業があるため、名簿の使い方については各学校の判断に委ねるとの回答がありました。 生活者ネットワークは、男女平等の意識を高める、生まれ持った性別に違和感を持つ子どもたちへの対応などの視点から、男女混合名簿の導入を働きかけてきました。今年3月に策定された第5次男女共同参画計画の、教育の場における男女平等の推進の新たな取組として、区立学校において、男女混合名簿の作成を前向きに検討し、男女平等教育を推進すると明記されたことで、全校男女混合名簿が作成されたことは大きな前進だと考えます。 名簿を作成して終わりではなく、男女平等、性の多様性を児童・生徒、教職員が理解するための日常の学校運営が求められます。これまで、教室内の掲示物を男子は黒、女子は赤などと色使いを変えている事例が見受けられました。感染拡大防止のために、学校行事への関係者以外の参加がかなわない現状で、学校運営の状況について第三者の目に触れる機会が減っているからこそ、これまで継続されてきた習慣などの見直しが必要です。今後の男女混合名簿の活用と男女平等教育の推進について、区の考えをお聞かせください。 この計画には、標準服の選択肢拡大も明記されています。江戸川区立中学校の制服を性別に関係なく選べるようにしてほしいと、同区の高校生がインターネットで集めた1万1,582名分の署名を区長に手渡したと報道されました。高校生は女性として生まれ、現在は自らの性を男性と認識しているトランスジェンダーで、制服で苦しむことなく、自分らしさが尊重されるようになってほしいと、制服選択制の実現を訴えたとのことです。 標準服の運用については、生徒が主体的に関わって検討していくことが望ましいと考えます。標準服の選択肢の拡大について、今後どのように取り組んでいくのかお答えください。 生活者ネットワークは、ジェンダー主流化を政策に掲げ、政策実現のために東京全域を対象にした調査活動に取り組んでいます。ここ数年の間に、官僚や自治体の長、議員など、公人によるセクシャルハラスメントやフラワーデモに象徴される性暴力、そして新型コロナ感染症対策による外出自粛で増加しているドメスティックバイオレンスなど、女性への暴力は後を絶ちません。 昨年新たに、「女性が暮らしやすいまち~女性の安全安心調査プロジェクト」を立ち上げました。セクハラ、DV、性暴力の課題に取り組む3つのチームをつくり、制度についての学習会や当事者、支援者へのヒアリング、専門機関の視察などを基に質問を作成し、今年2月から自治体調査を実施しました。調査結果を基に、私が所属したチームの課題、性暴力について質問します。 内閣府男女共同参画局の「性犯罪・性暴力とは」のサイトでは、望まない性的な行為は性的な暴力に当たると明記されています。性犯罪は、警察が認知したものですが、性暴力は警察に行かない、行けない全てのものです。その認識を広め、共有し、性暴力をなくし、もし被害に遭っても声を上げやすく、被害者の心身の回復に寄り添える練馬区であってほしいと思います。 区内で起きた全犯罪件数と、そのうちの性犯罪の件数を確認したところ、区で分かるのは、性暴力として相談を受けた件数のみで、2018年度は3件だったとのことです。レイプなどの性暴力は、この国で最も報告されない重大な犯罪と言われています。犯罪件数としてカウントされるのは氷山の一角にすぎません。区の相談につながった人の後ろには、性暴力に遭って苦しんでいる区民がどれほどなのか、二度と同じ思いをする人がいなくなるようにしたいと心から思います。 性暴力の被害者は、体への直接の被害だけでなく、心にも深刻なダメージを受けているところに、更に他者からの無理解や心ない発言で二次被害を受けることもあるため、誰にも相談できずに孤立してしまう、その中で、自分を責めてしまうことが少なくありません。悪いのは加害者、あなたは悪くないという姿勢が必要です。 区が2018年3月、職員の対応で二次被害を生まないために作成した、犯罪被害者等支援の手引には、性犯罪も明記され、更にホームページ上で区民にも公開していることは、私たちの調査でも評価されました。また、支援団体や他の自治体議員から、練馬区の相談員の評価が高いことも分かりました。第5次計画に、女性への暴力やハラスメントの防止が明記されました。今後の区の取組をお示しください。 セクハラ、DV、性暴力の自治体調査の結果、共通する課題は、人権教育としての性教育が必要だということです。区立小中学校において、助産師や保健師、産婦人科医などの専門職、または民間団体を招いての性教育を実施しているのは、2018年度、全34中学校のうち6校だけでした。ひとしく学ぶ権利の視点からも、全校での実施が必要です。区の考えを伺います。 私たちの調査からは、自治体施策として義務化されていない部分でのセクハラ対策、DV被害者支援、性暴力被害者支援の必要性への認識が総じて低いことを感じました。防止、相談、支援、教育など、誰もが安心して暮らしやすいまち練馬を実現する施策を求めます。 次に、子どもの権利に基づく教育環境について伺います。 新型コロナ感染症対策として、3月2日から5月30日まで、区立小中学校が臨時休業になりました。卒業式や入学式が例年どおりに行われないまま、6月より学校が再開し、長い休校中の生活の中での課題に加えて、再開後も十分ではない環境の中で新学年を迎えました。私たちには、保護者からたくさんの声が届きました。多かったのは、支援を必要とする子どもへの対応です。新学年になって新たに配置された学校生活支援員の人数が少ないことへの不安の声です。支援員が足りず、保護者が付き添っているケースもあります。 一方で、支援員を経験された方の中には、新たな会計年度任用職員の条件が合わず、仕方なく辞めてしまった方も複数います。感染症対策で、これまで当たり前だった学校生活が一変し、教員の負担も多く、児童・生徒も慣れない環境で困惑することもあるはずです。だからこそ、支援の手がいつも以上に必要ではないでしょうか。 全ての子どもが安心して学校生活を過ごせるために、会計年度任用職員だけでなく、新たな募集条件で学校生活支援員を増やすべきです。区の考えを伺います。 昨年は、国連子どもの権利条約が採択されて30年。子どもの意見を聞く意見表明権にスポットが当たりました。国連子どもの権利委員会は、今回の新型コロナ感染症のパンデミックに関する意思決定プロセスにおいて、子どもたちの意見が聞かれ、かつ考慮される機会を提供すること、子どもたちは現在起きていることを理解し、かつパンデミックへの対応の際に行われる決定に参加していると感じることができるべきであると意見表明しました。 新型コロナ感染症というこれまでに経験したことのない社会状況の中で、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わり、不安やストレスを抱えた子どもも多かったはずです。運動会や移動教室、学芸会など、様々な行事が縮小や中止となり、子どもたちから目標や楽しみが奪われてしまっています。どうして中止なのか、縮小なのか、コロナだから仕方がないではなく、その都度子どもたちにきちんと説明し、その中でできることを子どもたちの意見を聞き、一緒に考えていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。 学校再開後の分散登校では、多くの子どもたちから、先生とゆっくり話ができたという声を聞いています。今回のことを臨時的な対応として終わるのではなく、少人数学級の実践例として、児童・生徒、教員、それぞれの意見や課題を聞き取り、記録に残し、少人数学級の検証をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 オンライン学習は、全ての子どもの学ぶ権利の保障の視点から、今回のような臨時休業だけでなく、不登校や病気など、登校できない子どもにとって有効であると考えます。しかし、重要なのは学校が教科を学ぶ場だけではないこと、直接の対話を通して場の雰囲気を感じ取り、けんかしたり、仲良くなったり、様々な経験をしながら成長することです。教員にとっても、子どもの表情や持ち物などから異変に気づく大事な場でもあります。 今後、年度内に、タブレットを児童・生徒全員に配る予定ですが、教員の運用についての体制をどこまで整えているのでしょうか。また、学校におけるオンライン授業のあり方について考えを伺います。 次に、気候危機とエネルギーについて伺います。 この夏は、昨年に増して高温や集中豪雨で、日本でも多くの被害がありました。明らかに異常気象であると誰もが実感しています。 国際シンクタンクのグローバル・フットプリント・ネットワークは、地球が1年間に生産する水、食料など、自然の資源を使い尽くす日、アース・オーバーシュート・デーが8月22日だったことを発表しました。自然資源の使い過ぎによって負債が生じ、生態系が前倒しで崩れていく、中でも、森林減少により、CO2吸収量が排出量に追いつかないという現状に警鐘を鳴らしています。 パリ協定では、気温を1.5度下げることを目標とし、そのためには、2050年までにCO2排出量をゼロにしなければならないとしています。このまま何もしなければ、3度から3.5度上昇してしまう可能性があると言われています。 国連は、各国に2030年までに45%削減と、新規の石炭火力発電の中止を呼びかけています。しかし、日本の削減目標は26%で、古い石炭火力発電設備を廃止する方向を示してはいるものの、22基の新設計画があり、国連から勧告を受けています。性能がよいと言っても、火力発電である以上、排出量ゼロにはなりません。 練馬区環境基本計画2020において、区のCO2削減目標は、国と同じ2030年までに26%削減としています。区は、目標に向けて現状は前倒しで削減していると言いますが、豊島区は39%、品川区、江戸川区は40%削減、葛飾区や多摩市は2050年までに排出量ゼロを示し、計画を立てています。ゼロエミッション東京戦略においても、2030年に30%、2050年に排出量ゼロを目標に掲げています。また、世田谷区長は、気候危機非常事態宣言を発すると表明するなど、各自治体の役割は重要です。 区も、環境審議会や地球温暖化対策地域協議会があるのですから、脱炭素社会に向けた取組について踏み込んだ協議をし、危機感を持った目標を立てるべきです。区の考えを伺います。 国の2030年の電源構成は、火力発電が56%、そのうち石炭火力が26%、原子力が20%から22%、再生可能エネルギーが22%から24%とし、これをエネルギーのベストミックスとしています。原発は、CO2を排出しないクリーンな発電だと言う人もいますが、一たび事故が起きれば甚大な環境破壊につながるため、見直すべきです。 東京電力福島第一原発事故の後、多くの新電力会社が発足し、電力調達を切り替えた自治体も多く見られましたが、その後、再び東電に戻している実態があります。都内各自治体の取組は、ゼロエミッション東京戦略にも大きく関わる問題です。 生活者ネットワークは、今年2月から4月、国際環境NGO FoEJapan、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンと共同で、都内62自治体の2011年度から2019年度までの本庁舎の電力調達や再生可能エネルギーに関する方針についてアンケート調査を行いました。 7割以上の自治体が環境配慮方針を持っている中で、島嶼部を除く53区市のうち、練馬区を含む11の自治体が、2011年からずっと随意契約で東京電力から調達しています。一方で、入札により新電力から調達している自治体が16あることが分かりました。 残念ながら、環境配慮方針に基づいていても、必ずしもCO2排出量や再生可能エネルギーなど、気候危機を重視したエネルギー政策につながらず、経済性を重視している自治体が多い状況です。 区は、本庁舎は規模が大きく特別高圧であることと、経済性、安定性、再生可能エネルギーの利用率から東電に決めていると言います。しかし、電力小売事業者の実績値一覧表を見ますと、特別高圧でもCO2排出量が低く、再生可能エネルギーの割合が高い事業者もあり、実際に都庁舎も総合評価方式で落札しています。 何を最重要な条件として電力を選ぶかが、その自治体の環境に対する意気込みを示すものです。積極的に取り組んでいる自治体もあるのですから、区としても、気候危機に対応した電力調達に切り替えるべきです。区の考えを伺います。 次に、プラごみゼロ社会に向けた施策について伺います。 私たちは、これまでプラスチックごみは「出さない、燃やさない」をスローガンに活動を続け、区にも様々な要望を出し、実現してきました。最近では、売店のレジ袋廃止や20階の自動販売機のペットボトル飲料が廃止になりました。また、区長が所信表明で述べたように、マイボトル用の給水器が設置されました。更なる取組を求めます。 この夏、まちなかの自動販売機横に設置されている回収箱について、空き缶やペットボトルなどがあふれて周りにも散らかっている場所を調査したところ、かなり多くの場所が見つかりました。都内には、飲料容器の散乱防止と資源の再利用促進のため、屋外に自販機を設置する際に、自治体への届出、回収容器の設置および空き缶等の再利用を義務づけている自治体があります。また、武蔵野市では、自販機周辺にペットボトルなどが散乱している場合、市のごみ総合対策課に連絡すると、事業者に回収の要請を行います。 散乱したペットボトルが細かく砕かれ、川から海にまで達し、海洋を汚染し、生態系をも脅かしています。区として回収容器の設置や回収状況などを把握し、改善が必要な事業者に対し指導すべきと考えますが、いかがでしょうか。 私たちは、容器包装ごみ処理への拡大生産者責任を求め、中でもレジ袋の有料化運動を20年来展開してきました。マイバッグ持参の店頭キャンペーンも行いました。世界では、既に127か国がレジ袋の使用禁止、課税、有料化といった方法で規制しています。今年7月1日、レジ袋の有料化が始まり、ようやく日本も抑制に向けてかじを切りました。重要なのは、これを第一歩として、容器包装だけでなく、製品プラスチックに至るまで、生産、利用抑制に進むことができるかどうかです。 国は、プラスチック廃棄物の一括処理を打ち出していますが、いち早く容器包装リサイクルを進めてきた区として、今後のプラスチックごみの処理についての課題を伺います。 次に、化学物質対策について伺います。 練馬区が化学物質過敏症を啓発するリーフレットを作成して、約1年経過しました。保健相談所と消費生活センターでの掲示、区立幼稚園、小中学校で活用されるようになったのは、区内外の化学物質過敏症当事者の方々から評価されています。最近、児童館でリーフレットが掲示されていると当事者の方から連絡がありました。これまで、香りのことや化学物質過敏症のことに全く関心を示さなかったお知り合いが、その掲示を見て、話が通じるようになったというのです。 香りの害、香害は、使っている本人に悪意がなくても周囲に影響を及ぼすことが問題であり、だからこそ啓発が必要です。多くの区民の目に触れるように、区立施設での掲示など、設置場所の拡大を要望しますが、区の考えをお聞かせください。 新型コロナ感染症対策の消毒剤によって、呼吸困難などの健康被害の訴えが増えています。残念ながら、感染症対策で少数の声が上げづらい状況です。 厚労省のサイトでは、手や指についたウイルスの対策は、洗い流すことが最も重要、ウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで100分の1に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせること、手洗いの後、更に消毒剤を使用する必要はないと明記されています。アルコール消毒については、手洗いがすぐにできない状況では有効という表現です。しかし、これがあまり周知されていないのではないかと感じています。 私たちが区内の児童・生徒の保護者にアンケート調査したところ、校内の消毒剤を増やしてほしいと要望する人が多数いました。手や指の洗浄やアルコール消毒剤の使い方など、感染予防対策について、またアレルギーがある子どもたちへの配慮など、児童・生徒、保護者、教職員への啓発が必要と考えますが、いかがでしょうか。 最後に、まちづくりについて伺います。 新型コロナ感染症対策で、国も都も区も財政状況が逼迫していることは誰もが納得できることです。石神井公園駅周辺をはじめとする区内各所の都市計画道路整備やまちづくりなどについて、今こそ住民参加で見直しの議論が必要です。 感染拡大防止のための在宅勤務の奨励など、働き方の社会変革が進みつつあります。在宅勤務などの新しい働き方は、就労の場を都心から地方に移す可能性など、暮らし方、住まい方にも大きく影響し、オンライン会議のための防音室の設置など、住環境に求めるものも変化するのではないかと言われています。 石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業については、そのような社会状況の中で、都心周辺の超高層住宅が今後も住宅取得のニーズとして続くのか、50年後の地域はどうなっているのかなど、想像しながらまちづくりを見直すことが必要ではないかと考えます。区の認識を伺います。 天然痘、ハンセン病、近年ではHIV・エイズなど、感染症の歴史には常に偏見や差別が存在してきました。今回の新型コロナウイルスの感染症でも、当事者や医療関係者などに対する誹謗中傷があり、歴史に学んでいないことは残念です。あらゆる場面で人権尊重の対応が実感できる区政運営を求めて、一般質問を終わります。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 気候変動についてです。 本年3月に策定した練馬区環境基本計画2020では、区として初めて、気候変動への対応を方針の一つに位置づけました。また、昨年度の世界都市農業サミット宣言においても、都市農業は気候変動の緩和・適応のための重要な手段となり得るという一文を盛り込みました。 温室効果ガス排出量の削減は、これまでも危機感を持って取組を進めた結果、令和元年度までの目標を平成28年度に前倒しで達成しています。 気候変動対策は、日々の地道な改善を積み重ねていくことが不可欠です。住宅都市練馬では、温室効果ガスの半数以上が家庭から排出されています。引き続き、区民の皆様と協働し、着実に取り組んでまいります。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、技監および関係部長から答弁いたします。    〔宮下泰昌技監登壇〕 ◎技監 私から、石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業についてお答えします。 災害に強く、安全・安心な暮らしを支える都市インフラの整備については、長い年月を要するものであり、それぞれの事業について、時期を逸することなく、計画的に取組を進めることが必要です。 本再開発事業については、平成27年度のまちづくり懇談会の開催から、時間をかけて、関係権利者や地域の皆様と協議を重ね、都市計画原案の策定に至ったものであり、事業の実施により、個々の建物を共同化・不燃化し、都市計画道路を一体で整備することで、安全で快適な駅前環境が実現します。 みどり豊かで良好な住宅地である練馬区の、駅前の利便な地に位置する本地区においては、今後の新たな社会の中でも、従来と変わらぬ住宅需要があると考えます。 引き続き、再開発事業の実施に向けて、着実に取組を進めてまいります。 私からは以上です。    〔毛塚 久区長室長登壇〕 ◎区長室長 私から、新型コロナウイルス感染症に関する情報発信についてお答えします。 これまで区長は、感染症の動向に応じて、区民の皆様にメッセージを繰り返し発信し、区の取組をお知らせするとともに、感染予防への協力を呼びかけてきました。区長の指示の下、各事業の所管部も区報、ホームページ、対象者への通知等により、きめ細かく周知に取り組んでいます。 ひとり親家庭への給付金、医療・介護・保育従事者への支援、診療所でのPCR検査体制の構築など、区独自の感染症対策は多くのメディアで取り上げられています。何よりも、現場の実情に即した有効な政策を立案、実行することこそが大きな広報になると考えております。 今後とも、日々刻々と変化する状況を迅速に把握し、区民に分かりやすくお知らせする観点から、適切な手法により、正確でタイムリーな情報発信に取り組んでまいります。 私からは以上であります。    〔堀 和夫総務部長登壇〕 ◎総務部長 私から、女性への暴力、ハラスメントの防止等についてお答えします。 区では、本年3月に策定した第5次男女共同参画計画において、配偶者等暴力被害者への支援と性暴力やハラスメントの防止を目標に位置づけ、施策を進めることといたしました。配偶者等暴力被害者支援については、被害者支援に向けて配偶者暴力の防止に関する啓発、相談員の資質向上に取り組み、暴力やハラスメントの防止については、ストーカー、性暴力、セクシャルハラスメント等の防止、若年層への啓発を行うこととしています。今後も、庁内の全組織および関係機関とも連携し、取組を推進してまいります。 私からは以上です。    〔佐古田充宏健康部長登壇〕 ◎健康部長 私から、化学物質過敏症に関するご質問についてお答えします。 近年、国民生活センターなどへの柔軟剤等の香りに関する相談件数が増加傾向にあります。柔軟剤に使われる香料と化学物質過敏症との因果関係は現在のところ科学的に解明されてはいませんが、区では化学物質過敏症について、ホームページのほか保健相談所や消費生活センター、小中学校、児童館、保育園などにチラシを掲示して周知に努めています。 柔軟剤等の製品に含まれる化学物質に起因する問題については、製造・販売事業者が責任を持って対応することが基本です。業界団体は、3月に洗剤等の香料成分を開示する際の指針を定めるなど、自主的な取組を進めています。 区では、引き続き周知に努めるとともに、業界団体の取組や国の対応などを注視しながら、必要に応じ、区民への情報提供を行ってまいります。 私からは以上です。    〔高木明子練馬区保健所長登壇〕 ◎練馬区保健所長 私から、保健所体制についてお答えします。 区では、区民に身近な保健医療サービスを充実するため、平成11年に保健相談所を6所体制とするとともに、感染症対策や環境衛生など、全区的な対応が必要な業務を集中化することで効率的に実施するため、練馬、石神井の2か所の保健所を統合し、練馬区保健所としました。適切に役割分担を行うことで、きめ細かな区民サービスを行うことができる体制を整えています。 感染症対策業務については、現在保健所1か所に集中化し、医師である保健予防課長をリーダーとし、チームとして効率的かつ専門性を持って行っています。 今回の新型コロナウイルス感染症のように、急激に業務が増加する場合には、速やかに職員の応援が行える体制を確保することで、機動的に対応できていると考えております。国や東京都にも保健所の状況は伝え、必要な支援は求めながら対応しています。 会食や家庭内での感染が広がっている現在では、濃厚接触者等への積極的な検査による早期発見に集中する段階にあると考えています。疫学調査の見直しを含めた今後の対応については、国への働きかけも視野に、各区保健所や東京都と協議を進めてまいります。 私からは以上です。    〔市村 保環境部長登壇〕
    ◎環境部長 私から、環境施策についてお答えします。 はじめに、電力の調達についてです。 区では、これまでも第2次環境管理実行計画に基づき、電気使用量の削減に取り組んできました。計画最終年度である令和元年度は、平成21年度比で1,075万2,000キロワットアワーを削減し、目標の7%を上回る13.25%を削減しました。 電力の調達に当たっては、施設の規模や特性、供給電圧の種別などを総合的に勘案し、その時点で最適と判断した方法で契約を締結しています。特別高圧電力を使用する区役所本庁舎も同様であり、現在は、夜間の余剰電力を有効に活用し、昼の電力ピークを抑制する契約としています。電力の自由化が進み、供給可能な事業者が増えてきたため、既に契約の見直しについて検討を進めています。将来にわたり、特定の事業者と契約を続けていることを決定した事実はありません。 次に、プラスチック削減についてです。 区では、庁舎におけるレジ袋の有料化を前倒しで実施するなど、自ら率先してプラスチックごみの削減に取り組んでいます。 産業団体をはじめ、区内各種団体にも削減への協力を要請してきました。東京あおば農業協同組合とは、土に混ぜると水と二酸化炭素に分解される農地用シートの活用に向け協議しています。練馬区商店街連合会とは、マイバッグの利用促進について、商連ニュースへの掲載、各店頭での呼びかけなど、協働して取り組んでいます。 7月に国は、文房具やおもちゃなどのプラスチック製品もリサイクルの対象に加えるとの方針案を示しました。環境への負荷低減に一定寄与するものと考えており、今後、法改正などの国の動向を注視して、適切に対応してまいります。 今後も、区民の皆様と協働して削減に取り組んでまいります。 次に、自動販売機の空き缶についてです。 自動販売機から排出された空き缶については、設置された土地の管理者や飲料の製造・販売事業者の責任で回収容器を設置し、適正に回収、処理されるべきものです。 練馬区ポイ捨ておよび落書行為の防止に関する条例では、自動販売機の設置者や管理者に、回収容器の設置とその適正管理を義務づけており、違反事業者には勧告ができることとしています。遵守していない事業者等に対しては、適正に対応してまいります。 私からは以上です。    〔木村勝巳教育振興部長登壇〕 ◎教育振興部長 私から、教育についてお答えします。 まず、男女共同参画についてです。 区では、本年度から全区立学校で男女混合名簿を作成しました。出席簿や授業参観の受付名簿など、各学校の実態に応じて活用を進めています。一方で、男女混合の取組を進めることのみが男女共同参画を推進するものではありません。各教育活動の目的や発達段階に応じて、人権の尊重や男女平等に配慮した教育を実施しています。 中学校の標準服については現在、各中学校が主体となって、生徒の声などを踏まえ、選択の幅を広げる取組を検討しています。 次に、性教育についてです。 性に関する教育は、学習指導要領等に基づき行っています。東京都の指定を受けた「性教育の授業」実施モデル校では、都の作成した手引に基づき、学習指導要領に示されていない内容を含む指導のあり方を研究するため、昨年度、産婦人科医を招いて行う授業を公開しました。このモデル校の成果を踏まえ、今後も適切に性に関する教育を行っていきます。 性に関する知識の普及啓発を図ることを目的としたNPO等による区立学校への出前講座については、現在、実施内容や時期、対象者や学習指導要領との整合などについて、検討を進めているところです。 次に、子どもたちへの支援と教育環境についてです。 学校生活支援員の配置は、学校が必要性を精査し、その要望に基づいて行っており、保護者の希望のみをもって配置しているわけではありません。子どもたちの学習や生活の支援等には、学校生活支援員のほかに、地域連携事業を行っている協働活動支援員や学校サポーター、学習指導サポーターなど多くの方々が関わっています。現在も学校生活支援員については募集を行っており、今後も学校と調整し、人員の確保に努めていきます。 新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度、いくつかの学校行事を中止や縮小したことは、教育委員会といたしましても、感染予防のためにやむを得ず判断したものです。 各学校・園においては、子どもたちの心情に配慮し、発達段階に応じて丁寧な説明が行われています。また、中止となった学校行事の代替行事について、各校の実情や、子どもたちの意見やアイデアを踏まえ、感染予防対策を講じてできる活動を計画・実施しているところです。 次に、少人数学級についてです。 先般、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、政府の教育再生実行会議が、少人数学級を推進すべきとの中間答申をまとめました。 しかしながら、少人数学級の実現には、教員の大幅な増員だけでなく、限られた校舎スペースに普通教室を増設する必要があるなど、困難な課題を解決しなければなりません。 教育委員会といたしましては、国等における今後の議論の動向を注視してまいります。なお、分散登校時の対応は、少人数学級の実践例と直接の関わりがないため、記録等にまとめ、検証を行う考えはありません。 次に、教育ICTについてです。 教員のICT活用については、先行配備しているモデル校の授業の公開、全教員を対象としたタブレット操作に係る講習会等を今年度中に実施するとともに、授業における活用事例を共有する仕組みを構築することにより、活用スキルの向上を図ってまいります。 オンライン教育は、集団での学び合いと個に応じた指導の両面で行うことで、高い効果が期待できます。また、オンラインによる家庭学習において、特に低学年の児童には、子どもたちの自由な発想を生かした学習と学校や保護者による適切な管理が必要です。オンラインの活用に当たっては、保護者と十分に連携を図るとともに、個々の発達段階に合わせてきめ細やかなサポート体制を確保してまいります。 次に、感染症予防対策の周知についてです。 教育委員会では、5月に作成した、「練馬区立学校(園)の感染予防のガイドライン」等に基づき、手指の洗浄方法について、手洗いが最も有効である旨の児童・生徒への指導や保護者への周知啓発を行っていますので、引き続き取組を進めてまいります。 なお、現時点で学校等から、新型コロナ対策の消毒剤による呼吸困難の報告は受けておりません。 私からは以上です。 ○小泉純二議長 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。      午後2時33分休憩----------------------------------- ◎事務局長 ただいまの出席議員数49名でございます。      午後3時5分開議 ○小泉純二議長 ただいまから本会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。 15番・かとうぎ桜子議員    〔15番かとうぎ桜子議員登壇〕 ◆かとうぎ桜子議員 市民ふくしフォーラムとして一般質問をします。 介護保険について伺います。 2021年度から第8期介護保険事業計画の計画期間が始まります。介護報酬の改定に向け、国でも社会保障審議会での議論が続いており、練馬区でも高齢者基礎調査を実施して準備を進めています。今後、練馬区として、どのような介護保険事業としていくか、また新型コロナウイルス感染症の問題がある中での介護保険の体制について伺います。 第1に、次期介護保険事業計画策定に向けての現在の区の検討状況を伺います。 次に、要支援の人のニーズ把握と計画について伺います。 2015年から介護予防・日常生活支援総合事業が始まり、要支援の人の訪問と通所のサービスが総合事業に移行したという大きな制度上の変化がありました。そのため、現在議論が行われている社会保険審議会の資料の中に、要支援の人の実態があまり出てきません。介護給付であれば、国として実態把握し、施策の方向性が整理されていたものが、市町村が中心となって実施するとされている総合事業となって、自治体として実態把握、検証、施策実行の役割がとても大きくなっているということを改めて感じます。 区の高齢者基礎調査によれば、要支援の認定を受けている人の約3割強が80歳以上の人に介護されており、介護者の高齢化が地域生活の不安につながっているのではないかとも懸念されます。そこで、区として、第7期の計画期間中に総合事業を利用している要支援の人、また認定を受けずに総合事業を利用している人について、実態把握と分析をどのように行っているのかを伺います。区としての主体的な実態把握と計画策定を進めるよう求めます。 次に、有料老人ホームの状況について伺います。 高齢者基礎調査を見ると、有料老人ホームに入居する人の中で、要支援1の人は2017年に2.4%だったものが2019年には5.7%に、要支援2の人は2017年に1.3%だったものが2019年には4.4%にと、要支援の人の有料老人ホームの入居が増えています。先ほども述べたように、要支援1・2の人の介護を担う人の多くが高齢で、そこを補う地域生活の支援が不十分であることが、有料老人ホーム入居の一つの理由と考えられるのではないでしょうか。区としては、どのように捉えているかを伺います。 また、今後の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに関する調査に際しては、どんな生活ニーズがあって、在宅ではなく施設を選んだのか、今の生活で大事にしていることはどんなことなのかなど、施設入所者の生活実態がより具体的につかめるような自由記述欄もつくっていただきたいと思います。施設利用者の生活実態をより詳しく知ることで、在宅介護の課題も見えてくると考えるからです。区の今後の考えをお聞きします。 次に、小規模多機能、看護小規模多機能型居宅介護について伺います。 高齢者基礎調査によれば、小規模多機能、看護小規模多機能型居宅介護事業で、利用者が適正数を下回っていると回答している事業所が75%となっています。小規模多機能は、身近な地域で、慣れたスタッフの支援の下、通い、泊まり、訪問を利用できる事業ですが、例えば一般的な訪問介護や通所介護などとの併用ができないことによって、ニーズとのマッチングが難しいことや、ケアマネジャーも変更する必要があることから、プランに入りにくいといった制度上の課題があると考えられます。 高齢者基礎調査の中では、多くのケアマネが利用者から小規模多機能の問合せがあれば紹介していると答えていますが、制度が複雑なので、実際のところ、利用者から小規模多機能についてケアマネに問い合わせることはあまり多くないのではないかと思います。 上手に活用できれば、地域生活を継続するための要になる事業であるにもかかわらず、このままでは事業継続が困難になることも考えられます。区としては、小規模多機能型事業を今後どのように展開していく考えかをお聞きします。 次に、特別養護老人ホームについて伺います。 高齢者基礎調査では、特別養護老人ホームに入所を希望している方の中で、約40%の方が多床室型の特別養護老人ホームを希望しています。要因としては、費用面が大きいのではないかと考えられます。また、ユニット型でも多床室型でもどちらでもいいという方は約13%で、これは、いずれにしろ早く入所できればという思いがあるのではないかと推測できます。 一方で国は、特別養護老人ホームの7割をユニット型にしようという考えの下で施策を進めています。実際に特別養護老人ホームを利用したい人のニーズと国の施策の方向性は、必ずしも同じ方向を向いているとは言えないのではないかと感じますが、区としては、今後の区内特養のあり方をどのように考えるのかをお聞きします。 また、高齢者基礎調査では、特養待機者の中で、過去1年間にショートステイを利用していない人が約5割となっています。特養に申し込んだ理由の上位に家族の疲れがあるにもかかわらず、約半数が待機中にショートステイを利用していない理由を、区として、どのように分析しているかを伺います。 ショートステイを利用することで、家族の介護疲れの軽減のみならず、実際に施設に入所したときの生活がイメージでき、特養の入所の順番が回ってきたときに本当に入るのか、もうしばらく在宅を継続するのかという決定の役にも立つはずなので、本当のニーズと支援がマッチングできるようにするためにも、積極的にショートステイの活用は促していくべきではないかと考えるのですが、区の考えをお聞きします。 次に、コロナ禍での介護保険について伺います。 ホームページで公表されている練馬区の月別の介護保険状況報告で、認知症対応型通所介護、地域密着型通所介護、通所介護、通所リハビリ、総合事業の通所型サービスといった通所サービスを合計して、1月利用分と5月利用分を比較すると、1月は1万3,178件だったものが5月には9,562件と、3,616件の利用減少が見られます。また、訪問リハビリは586件から473件で113件の減少、短期入所は1,443件から986件で457件減少している一方で、福祉用具貸与の利用は増加しています。また、サービスの利用を減らしているのは、特に要支援から要介護2までに多く見られます。 このような数値から、新型コロナウイルス感染症感染防止対策として、できるだけ外に出るサービスの利用を減らし、家で過ごすために、今までよりも福祉用具を活用しているという姿が見えてきます。また、その傾向は特に要介護度が低いほど顕著です。 しかし、通所サービスやリハビリの利用控えにより、身体を動かす機会が減ったり、家族以外の人と会って会話するという機会が減ることによって、ADLの低下や要介護度の重度化が懸念されます。介護サービスは利用せず、はつらつセンターなどを活用して活動している比較的お元気な高齢者に対しても、同様の懸念があります。コロナ対策を要する中での高齢者の社会活動の低下の状況について、区はどのように捉えているか、また、これに対してどのような対策をしてきたかを伺います。 新型コロナウイルス対策として、通所サービスの利用を自粛している利用者に家庭訪問や電話での支援をすると、一定の報酬が出るという特例が認められましたが、利用状況の数値を見ると、そうした支援も十分に機能していなかったのではないかとも懸念されます。また、訪問介護の利用も減少しており、通所サービスを利用しない代わりに訪問サービスを利用するという代替手段の確保もできていないように推測されます。より積極的に、通所利用を控えている人に対する代替支援の提供を考えていくべきではないでしょうか。6月の補正予算の質疑の際に、実態調査を行うという答弁がありましたが、その後の状況を伺います。 また、新型コロナウイルスはいまだ終息が見通せず、今後、冬が来れば、インフルエンザと相まって状況が深刻化することも想定した対策が必要と考えます。今後の状況を見据え、介護保険サービスや総合事業を利用する高齢者のADL、QOLの低下を防ぐための積極的な取組を進めるべきです。例えば、障害者サービスの放課後等デイサービスで行った助成と同様に、利用者負担の助成を行うことで、支援から途切れてしまうケースを抑える必要もあるのではないかと考えますが、区の考えをお聞きします。 次に、介護と医療の連携について伺います。 医療的なサポートが必要でも、自宅で暮らし、自宅で最期を迎える選択肢を充実するために、医療と介護の連携、入院できる病院と地域の診療所の連携は重要です。令和元年度練馬区医療・介護資源調査報告書では、病院によって地域連携室での対応割合にばらつきが見られます。このことを区はどう捉えているかを伺います。 また、外国人患者への対応についても調査されていますが、診療所を利用している外国人住民は多い一方、地域連携室や居宅支援、訪問看護の外国人利用が少なくなっています。私がご相談を受けた中でも、外国人住民の方が入院していた病院の地域連携室にうまくつながらず、在宅に戻ってから、しばらく医療や福祉の支援が受けられずに苦労されていたケースがありました。今回示された調査結果を見ると、これは私が相談を受けた方だけの個別の課題ではなく、外国人住民に対する医療から介護、福祉への連携について、システムとして十分に整っていないということではないかと懸念します。区として今後、外国人の方が医療、介護を必要とされたときの支援の仕組みづくりについてどのように考えているかをお聞きします。 また、在宅療養のための24時間対応の医療体制については、夜間や休日の対応にバックアップが必要であるという課題が指摘されていますが、区として、複数の医師の体制を取るなどの支援体制についてはどのように検討を進めているか、進捗状況を伺います。 また、在宅のみとりの件数が増えているとはいえ、医療的なサポートが必要な場合、入院以外の選択肢があるということは、まだまだイメージしづらい方も多くいらっしゃいます。在宅療養についての区民への啓発の取組をお聞かせください。 次に、障害者施策について伺います。 障害者施策に関しても、介護保険と同様、来年度の報酬改定に向けて、国の検討が進められています。そのため、障害者分野も社会保障審議会において検討されていますが、社会保障審議会の資料には障害関係団体からのヒアリング内容や現状の整理などが示されています。就労移行支援、就労継続支援などの日中活動については、2018年4月から11月の調査で、約3割の事業所でサービス利用につながらなかった事例があるとのことです。その理由の上位にあるものは、障害により事業所の作業の実施が難しい、週の利用が1日や2日など、毎日事業所を利用することが困難である、長時間の作業や労働が難しいとみられるというものです。障害が重かったり、体調が不安定である人が日中活動につながりづらいという制度的課題を以前から指摘してきましたが、このような調査からも、その実態が見えてきます。 また、就労継続支援B型事業については、多くの障害関係団体から、重度障害者や精神障害者など、障害特性で利用日数や作業時間が少なくならざるを得ない方を受け入れている事業所ほど、平均工賃が低くなるという課題が指摘されています。 これらを踏まえ、2018年に実施された報酬の課題の見直しが国で進むことを期待するところですが、区としても、このような課題に向き合う必要性があるのではないでしょうか。昨年の一般質問の際には、障害者基礎調査や障害者団体との意見交換等で課題を把握し、今後の支援体制の整備に向けて検討するとの答弁がありましたが、その後の検討状況を伺います。 次に、計画相談について伺います。 前回の報酬改定時、相談支援専門員の1人当たりの標準担当件数が35件という基準が設けられ、それを超過すると報酬が減算になるということです。標準担当件数にするために、現在までどのような取組をされてきたか、また現在、区内に障害のある人を担当している相談支援専門員は何人いらっしゃり、1人当たりの受持ち件数は何件になっているのか、現状をお聞かせください。 次に、谷原フレンドで実施されている夕焼けふれあい事業について伺います。 この事業は2008年度から実施されており、今まで12歳以上の年齢を利用対象にしてきたということですが、今年度からは対象年齢が15歳以上になったと聞きました。対象年齢を変更すれば対象者は絞られてしまうわけですが、まず、なぜこのような変更をしたのか、理由をお聞きします。 障害児向けの支援は放課後等デイサービスが充実してきているとはいえ、車いすユーザーの子が利用できる事業所は少なく、また、谷原フレンドの入浴を利用したいというニーズもあるようです。夕焼けふれあい事業は、今まで児童の利用があまり多くなかったようではありますが、事業の存在自体知らなかったこともあるのではないかと思います。障害のある人が地域で暮らすための多様な支援の可能性を探るためには、今回のように対象を絞る前に、利用対象者へのニーズの確認をすべきだったと考えます。今からでも、障害児の放課後支援のニーズの把握をしてほしいと思いますが、区の考えをお聞きします。 次に、コロナ禍における文化芸術施策について伺います。 新型コロナウイルスの感染防止対策のため、不要不急の外出の自粛などが求められてきましたが、文化芸術も福祉と同様、人が豊かに生きるために欠かせないものです。感染対策を講じながら、可能な限り文化芸術施策を停滞させないことが必要です。一方、今までに経験のない社会状況の中で、文化芸術施策にも財政面でも大きな課題がありますので、以下、お聞きします。 まず、このような先の見通しの立ちづらい状況の中で、どのようにプログラムを実施していくかについてお聞きします。 緊急事態宣言解除後、美術館では6月2日からショパン展を開催しましたが、感染対策をしながら開催できるかどうかということはもちろんのこと、ショパンの自筆の楽譜の搬送など、コロナ禍で対応が困難だった部分もあるのではないか思います。開催に至るまで、どのような検討をし、工夫してこられたかを伺います。 また、今年度は区の主催事業で既に延期を決めているものが多数あると思いますが、これらについての今後の取組の方針を伺います。 次に、コロナ禍の中での新たなイベント展開についてお聞きします。 感染防止対策を要する中で、例えばオンラインを活用するなどの方法も取られてきましたが、今後も開催の仕方や募集の仕方など、従来と異なる工夫が必要と思います。どのように実施していくか、考えをお聞きします。 次に、実習生の受入れの状況について伺います。 ふるさと文化館、美術館では従来、大学生の学芸員実習を受け入れていますが、コロナの状況下での実習生の受入れはどのように進めているかを伺います。 次に、コロナ禍での文化センター、ゆめりあホールの利用状況を伺います。 今年度のこれらのホールに関わる歳入の減少をどのように見込んでいるか、また、それを踏まえて、指定管理者に対する運営支援など、対策をどのように検討しているか、基本的な方針を伺います。 次に、歳入面での工夫について伺います。 今までのようにホールの利用収入でホールの運営、更に文化芸術施策に係る費用を賄うことが厳しい状況になっていますが、このような状況は、今後も継続したり、場合によっては再度深刻化することも起こり得ると考えられます。今後に向けて、利用料収入以外の歳入の工夫も考える必要があります。 1つには、コロナ対策に関する国や都からの補助金、また民間の助成金の活用などが更に必要になると考えるのですが、区としては、財源確保にどのように取り組んでいるかをお聞きします。 また、文化芸術施策を持続可能なものにするために寄附を呼びかけるなど、区民からの協力、応援を呼びかけることも必要ではないかと考えます。区民が参加、応援したいと思える働きかけを工夫してはと思いますが、考えをお聞きします。 コロナ対策を必要とする状況下で、どのように社会とのつながりを持つか、文化的な活動をしていくか、官民問わず、悩みながら進めている状況です。文化芸術の取組そのものについて動画やSNS等で発信するのはもちろんのこと、感染防止対策を講じながらも、実施のための工夫をどのように行っているかということも発信し、豊かな生活と感染防止対策との両立についての情報共有も進めていただきたいと思います。 次に、スポーツ施設の利用について伺います。 テニスコートの利用について、昨年度から仕組みが変更され、従来の団体登録から個人登録へと申込みの仕方が変更されました。以前の議会で、2015年度には、テニスコートの抽せん当せん件数3万3,841件のうち、1万6,024件のキャンセルが発生しているという数字が示され、半数近くがキャンセルされている実態が見えてきたこともあり、区民が公平に利用しやすい仕組みを再構築するという趣旨で変更がなされたと理解しています。 ところが、仕組みを変更した昨年度は、キャンセル数は2万件を超えたと聞きました。まず、昨年度の抽せん当せん件数とキャンセル件数の詳細をお示しください。また、キャンセル件数という点では状況が改善されていない実態を、区として、どのように捉えているのかをお聞きします。 キャンセルは雨天の場合などもあり、理由は様々だとは思いますが、なぜキャンセル数がこんなにも多いのか、その数字には抽せん、予約のプロセスでの使い勝手の悪さという課題があるのではないか、まずは実態把握と検証が必要ではないでしょうか。区の考えをお聞きします。 また、テニスコートの利用は、必ずしも区民でない方がメンバーを募って参加費を取って利用しているなど、特定のグループが会場を押さえるために、区民がなかなか抽せんに当たらず、一方でキャンセルも多く発生している側面があるのではないかと懸念されます。この点については、個人登録となったことで一定の改善はあっても、十分には改善されていないのではないでしょうか。改善に向け、より工夫が必要ではないかと考えますが、区の見解をお聞きします。 一方で、1人の登録者が1か月に予約できる件数が2件で、それ以上については、当日会場に行って、空きがあれば利用できるという現在の仕組みについては、使い勝手の悪さがあるという意見があります。テニスは1人ではできないので、当日行ってみなければ利用の可否が確定しないのでは、予定が立たないからです。そのため、抽せん枠があるのは致し方ないとしても、抽せんが済んだ上での空き枠の予約はもう少し増やしてほしいという意見もあります。 例えば、文化施設の予約であれば、抽せん枠と空き枠予約は別に上限設定がされているわけですから、このような他の公共施設の利用方法と比較しつつ、テニスコートの予約の仕組みも改善すべきではないかと考えます。区の見解をお聞きします。 区民が身近な地域で友人とスポーツを楽しむという公共施設としてのテニスコートの役割が発揮できるルールについて、更に検討、改善を進めるよう求めます。 最後に、生活保護について伺います。 新型コロナウイルスの先の見えない状況の中で、生活への支援を要する区民が多くいらっしゃいます。区は、生活保護についても増加を見込んで対応するとのことですが、新型コロナウイルスが深刻化してからの生活保護についての相談、申請の状況、また、相談から見える現在の生活課題はどのような状況であるかをお聞かせください。また、今後の生活保護の利用についてどのように見込んでいるかをお聞きします。 次に、生活保護を利用している人の健康診断の受診について伺います。 国は、生活保護を利用している人の健康診断の受診率が低いことを課題としていますが、練馬区でも昨年お聞きした段階で、生活保護を利用している人の健診受診率は33%であると伺いました。区は、この状況をどのように捉えているかをお聞きします。また、生活保護を利用している人への健康支援は、今のような状況下だからこそ、なおさら求められると考えますが、区として、どのように取り組んでいくかをお聞きします。 コロナ禍においても区民が自分らしい社会生活を営むことのできる施策の充実を求め、一般質問を終わります。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 高齢者施策についてです。 多くの高齢者の方々は、介護が必要となっても、住み慣れた地域で生活したいと望まれています。そのお気持ちに沿うため、区は、元気な方から重度の要介護の方まで、高齢者お一人おひとりが自分に合ったサービスを選択できる、地域包括ケアシステムの実現を目指しています。 今回のコロナ禍においても、特別養護老人ホームやデイサービスなどは、緊急事態宣言発令中もサービスの提供を継続してきました。こうした地域の現場で尽力されている方々を支え、事業を継続することが、区の果たすべき重要な役割だと考えています。 今年度、コロナ禍の対応を含め、第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定します。今後とも、現場の声を真摯に受け止め、必要な対応を重点的、機動的に実施していく考えです。 私からは以上です。 その他の質問につきましては、関係部長から答弁いたします。    〔小金井 靖地域文化部長登壇〕 ◎地域文化部長 私から、文化芸術などについてお答えいたします。 はじめに、文化芸術についてです。 美術館でのショパン展は、4月28日から6月28日までの開催予定でありましたが、緊急事態宣言が解除された後、6月2日から、会期を55日間から24日間に短縮し、開催しました。 開催に当たっては、日本博物館協会のガイドラインに基づき、館内における清掃・消毒の徹底、ソーシャルディスタンスを確保するための入場者数制限など、感染防止対策を徹底しました。更に、美術館のツイッターにより、混雑状況や待ち時間の目安を発信しました。緊急事態宣言が解除されてから短期間で開催準備を行うなど、これまでにない状況のため、困難はありましたが、再開後は、多くの区民から、待ち望んでいた展覧会を楽しめたなどの声を頂き、1万人を超える方にご覧いただくことができました。 今年度予定しているイベントについては、定員管理が難しいアトリウムミニステージは会場を文化センターに変更し、「ねりぶんアフタヌーン・ミニコンサート」として開催しています。真夏の音楽会は、来年2月に延期します。 文化振興協会では、既にチケットの申込みから支払いまでオンラインで完結できるようになっています。引き続き、感染症対策を行いながら、様々なイベントを実施していきます。また、石神井公園ふるさと文化館での講演会は、協会のYouTubeで配信を始めています。 博物館実習については、日数の短縮や来館者と接するプログラムを実施しないなど、実習内容を工夫し、美術館、石神井公園ふるさと文化館で例年どおり実習生を受け入れています。 練馬文化センター、ゆめりあホールは、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度と比較して利用件数が大幅に減少し、利用料金収入も減っています。指定管理者である文化振興協会では管理運営を工夫し、経費節減に努めていますが、光熱水費の節減など対応は限られています。区は、利用状況を踏まえ、協会の減収分の補填も含め支援してまいります。 これまで文化振興協会では、民間団体が実施する助成金などの獲得や寄附を受けてきました。今年度は、文化庁の、文化施設の感染症防止対策事業補助金を新たに活用します。区は、寄附制度の充実を進めており、文化芸術分野においても、様々な機会を捉えて寄附の呼びかけをしてまいります。 次に、庭球場の利用についてお答えいたします。 庭球場の予約方法は、団体利用を前提としていたため、夫婦や子どもと保護者の利用など、区民要望に応えられない状況にありました。また、団体登録のメンバーとは異なる人の利用が度々見られたことから、平成31年4月に団体登録から個人登録に変更し、予約者の本人確認を行うようにしました。 庭球場の令和元年度の抽せん申込み件数は12万1,808件、抽せんの当せん件数は3万1,320件でありました。このうち、キャンセル件数は2万7,260件でした。予約方法の変更は、キャンセル数の減少を目的としたものではありません。 庭球場を予約するための個人登録は、区内在住、在勤、在学の方に限っており、予約して利用するグループには、必ずその登録者が参加することを確認しています。予約の抽せんを厳正に行い、公平に利用できるようになっており、特定のグループだけが当せんしていることはありません。適正利用が進んでいるものと考えています。 庭球場の予約は、より多くの方が利用できるよう、月2件までとしています。引き続き、空き枠の活用も含めて、より使いやすくなるよう工夫していきます。 私からは以上です。    〔中田 淳福祉部長登壇〕 ◎福祉部長 私から、障害者施策ならびに生活保護についてお答えします。 はじめに、障害者の日中活動の支援についてです。 昨年度実施した障害者基礎調査では、個々の状況に応じた多様な働き方を求める回答や、収入増を求める多くの声が寄せられました。障害者団体や障害者地域自立支援協議会との意見交換では、高齢化・重度化が進んでいることから、就労継続支援B型と生活介護の中間にいる方の通いの場づくりや、高齢化する通所者の希望に応える取組を求めるご意見を頂いています。 令和3年度からの障害福祉サービス費の報酬改定や制度改正の動向等も踏まえ、次期障害者計画の策定に向け、障害当事者や障害者団体、事業者等で構成する障害者計画懇談会で協議し、支援体制の整備について検討してまいります。 谷原フレンドについては、本年4月、障害者の高齢化等を踏まえた日中活動の充実を図るため、障害者地域活動支援センター事業から生活介護および日中一時支援事業へ機能を転換するとともに、定員を15名から20名に拡大しました。夕方に実施する入浴サービスである夕焼けふれあい事業についても、昨年度は障害児の利用はなく、過去3年間でも障害児の利用は1人であったことから、利用対象年齢を12歳から15歳以上に見直しました。 障害児の放課後支援ニーズについては、障害者基礎調査や福祉事務所の相談窓口等で把握しています。重度障害児の療育や家族の負担軽減などが求められていると認識しており、次期障害者計画を策定する中で取組を検討してまいります。 次に、計画相談支援についてです。 平成30年度の障害福祉サービス費の報酬改定により、相談支援専門員の1人当たりの標準担当件数が月35件とされました。区は、障害福祉サービスを利用する障害者に、生活に応じた適切なサービス等利用計画を作成できるよう、民間の計画相談支援事業所を平成30年度からの2年間で5か所開設し、相談支援専門員を16名増員しました。令和2年3月末現在で事業所数は36か所、相談支援専門員は77名、1人当たりの担当件数は最も多い場合でも月平均31件となっており、国基準を満たしています。引き続き、計画相談支援事業所の拡充に向け、民間事業者への働きかけを強めてまいります。 次に、生活保護についてです。 生活相談コールセンターへの相談の多くは、新型コロナウイルス感染症による休業や雇い止めの影響で減収したことによる生活相談となっています。相談者の生活状況を丁寧に伺い、住居確保給付金や資金貸付、生活保護などの適切な支援につなげています。 住居確保給付金などの支援制度の活用により、本年7月末時点での生活保護の申請件数は前年を下回っています。住居確保給付金は支給上限額があるため、利用者の約75%は給付金だけでは家賃を賄い切れていません。このため、区独自に生活再建支援給付金を支給することとし、今定例会に予算案を提案しています。 また、住居確保給付金の支援が終了した後も状況が改善せず、生活保護による支援が必要となる方が一定程度見込まれます。そのため、生活保護費の増額についても予算案を提案しています。 次に、生活保護受給者への健康支援についてです。 生活保護受給者の健診受診率は年々上がっていますが、依然低いことは課題であると捉えています。そのため、これまでのケースワーカーや生活支援員からの個別の受診勧奨に加え、今年度から勧奨対象を40歳以上から30歳以上に拡大し、看護師からの電話や手紙による勧奨にも取り組んでいます。引き続き、生活保護受給者が健康管理を適切に行えるよう支援していきます。 私からは以上であります。    〔吉岡直子高齢施策担当部長登壇〕 ◎高齢施策担当部長 私から、高齢者福祉についてお答えいたします。 はじめに、次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の検討状況についてです。 次期計画策定の基礎資料とするため、令和元年度に練馬区高齢者基礎調査を実施しました。この調査における総合事業利用者のサービスの利用状況や意向についても分析し、介護予防のニーズが高いことが分かりました。 被保険者の公募区民や介護事業者等で構成する介護保険運営協議会では、この基礎調査の結果や、これまでの事業の実績を踏まえ、取り組むべき課題等を整理し、10月を目途に答申をまとめます。区は、答申を受け、素案を12月に公表し、議会やパブリックコメントによる区民意見を頂いた上で、年度内に成案とします。 次に、有料老人ホームの利用者についてです。 民間事業者が整備する介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅など、入居系サービスも増えており、高齢者の住まい方の選択肢が広がっていると認識しています。要支援者1・2の方は身の回りの動作はほぼ自立していますが、将来介護が必要になったときに備え、早めに対応しているといったことが考えられます。介護者への支援が不足しているとは認識しておりません。 今後の高齢者基礎調査の項目等の設定については、介護を取り巻く状況の変化や課題、これまでの調査との連続性等を考慮しながら、介護保険運営協議会等の場で関係者の意見を聞いて検討してまいります。 次に、小規模多機能型居宅介護等についてです。 小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護は、利用者の状況に合わせたサービスが一体的に24時間利用でき、住み慣れた地域での生活を支える核となるものです。小規模多機能型居宅介護は23区内最多の16か所あり、利用率は、令和元年度実績で半数以上の事業所が70%を超えています。区は、サービス内容や費用、利用例等を掲載した冊子を作成し、地域包括支援センター、ケアマネジャーを通じて区民に分かりやすく情報提供をしています。今後もサービス需要、地域性などを踏まえて整備を進めてまいります。 次に、特別養護老人ホームの整備についてです。 区内特別養護老人ホームの入所定員は2,245床で、利用率は97%です。従来型多床室は1,146床、ユニット型は1,099床で49%を占めています。ユニット型施設は、在宅に近い居住環境を提供するものです。国は、令和7年には特別養護老人ホームの入所定員に占めるユニット型施設の割合を70%以上とするよう都道府県に求めています。区はユニット型の施設整備を基本とし、従来型多床室についても、公有地を活用し整備します。 次に、特別養護老人ホーム入所待機者のショートステイについてです。 高齢者基礎調査では、待機者のうち68%の方が医療機関や入所施設等で生活しています。自宅で生活されている方は32%です。自宅で生活している方の64%がショートステイを利用しています。特別養護老人ホームの待機者は、ほぼ全員が介護度3以上の方であり、個々のニーズに対応したサービスが利用できるよう、ケアマネジャーや地域包括支援センター等で対応しています。 次に、新型コロナウイルス感染症が高齢者に与えた影響についてです。 外出機会の減少は、高齢者の身体機能等の低下を招くおそれがあることから、身近な地域や自宅で介護予防に取り組めるよう支援していくことが重要です。区は、地域包括支援センター職員による自宅訪問や電話での声がけを行い、食事の確保や自宅でできる運動のアドバイスを行いました。緊急事態宣言解除後、街かどケアカフェ、はつらつセンターなどの高齢者施設の全てを再開しました。いきがいデイサービスなどの介護予防事業も順次再開しており、利用者は徐々に増えています。 次に、要介護高齢者等への影響に関する実態調査についてです。 7月にケアマネジャーに行った調査では、要介護者、要支援者ともに日常生活動作の低下が、ややあるとの回答が多い状況です。コロナ禍が長期化することを見据え、現在、通所サービス利用者の利用状況、心身の状態等を引き続き調査しています。調査結果を検証し、第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画において対応してまいります。 私からは以上です。    〔佐古田充宏地域医療担当部長登壇〕 ◎地域医療担当部長 私から、在宅療養の推進に関するご質問についてお答えします。 各病院の地域連携室は、退院患者が在宅療養生活を開始するに当たって、重要な役割を担っています。そこで、区では、病院スタッフに在宅療養の現状を知ってもらうための在宅医療同行研修や事例検討会などを実施しています。更に、今年度は、区内17病院それぞれについて、患者が入院してから退院するまでの流れを図式化し、医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーなどの医療・介護関係者が、いつ、どのように連携しているかを分かりやすくまとめた、入退院連携ガイドラインの発行に取り組んでいます。 外国人の高齢化率はいまだ約5%でありますが、外国人人口が年々増加していることもあり、外国人の方が医療や介護を必要とした際の支援の仕組みづくりは今後の課題と認識しています。そのため、昨年度実施した、練馬区医療・介護資源調査において外国人対応の状況を調査しました。今後、調査結果を基に、在宅療養推進協議会において検討を行ってまいります。 在宅医療の担い手となる医師や医療機関の連携などを支援する在宅医療サポートセンターの設置をアクションプランにおいて計画しています。来年度開設に向け、現在、練馬区医師会や医療機関とともに協議を進めています。 区民の皆様に在宅療養を支える様々な仕組みやサービスについて知っていただくための在宅療養ガイドブック「わが家で生きる」を今年度改訂し、町会・自治会や老人クラブなどへ配付しています。また、地域の医師をお招きして、在宅療養に関する講演会を年に複数回実施しています。住み慣れた地域で自分らしい生き方を最期まで続けられるよう、引き続き普及啓発の充実に努めてまいります。 私からは以上です。 ○小泉純二議長 次に、12番・野沢なな議員    〔12番野沢なな議員登壇〕 ◆野沢なな議員 ふくし蒼風会の一般質問を行います。区長および関係理事者の誠意ある答弁を期待いたします。 はじめに、区長の基本姿勢について伺います。 令和2年は、新型肺炎の感染拡大と緊急事態宣言という、戦後経験したことのない大きな問題が立ちはだかる中で始まり、この未知の病との闘いに、区民の皆様とともに果敢に向き合って進む年となりました。将来、歴史ばかりでなく、それぞれの人生においても忘れることのできない災禍の体験となるでしょう。 最前線で日々疲労とリスクの中、治療に当たられている医療関係者の皆様、消毒作業や交通機関、物流など、この過酷なときを越えるために、なくてはならない働きを一貫して続けていてくださる皆様、福祉施設、保育、学校、塾など集団性の下、リスクと対峙しつつも、福祉と教育の充足のために働かれている皆様、そして長期化する中で災禍の深刻な痛手を受けていらっしゃる商店、飲食店、経営者の皆様の痛烈なご苦労を覚えます。今、自治体は、現場を知り、迅速に支援につなげ、寄り添い合う実行力を発揮することを、どの時代よりも強く求められていると考えます。 また一方で、この災禍と対峙する中で、社会が大きな転換を迫られ、技術と情報のあり方も急速に変わることを余儀なくされました。それは、もともとSociety5.0と称される文明のスタイルの転換期であり、連動して、働き方や生活様式、経済構造が変わっていこうとしつつある、まさにその始動の時期と重なっていたことも後押ししていると考えられます。 区政改革の大きな一角を担っているデータのデジタル化、システム化については、練馬区では既に、業務改革であるBPR、ビジネス・プロセス・リエンジニアリングに着手しており、様々な作業を根本から見直して、手続の簡略化、効率化を成し遂げることでサービスの向上につなげています。 これに関連して、ロボットによる業務の自動化を実現するシステムであるRPA、ロボティック・プロセス・オートメーションを自治体に導入している事例も昨今では増えています。既に多くの企業でも導入されており、AIが目と脳であるとすれば、RPAは手の代わりと言われています。 今、急速に進むテレワークや在宅勤務、勤務時間の是正など、働き方の変容に際し、デジタル化の地平における迅速な働き方改革が必要であると考えます。また、データ管理や打込み作業のロボティクス化は、セキュリティ対策の下、過度な外部委託政策による情報流出のリスクへの歯止めになると考えます。区の取組とご計画をお聞かせください。 また、区政改革の重要な一端として、働き方改革に関連し、ジェンダーギャップの課題もまた、今、目をそらすわけにいかない重要な課題であると考えます。 国連サミットで採択された、2030年に達成すべき世界共通の目標であるSDGsの17項目の目標に中に、ジェンダーの平等を達成し、全ての女性と女児のエンパワーメントを図ることがうたわれています。その2020年のアクションプランの3本柱の一つに、SDGsの担い手としての次世代および女性のエンパワーメントという項目が据えられています。 つまり、世界共通の目標の初期段階で着手すべき重要案件であるわけですが、このようにジェンダーの平等が注目される中、昨年12月17日、スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムが世界153か国を対象に男女格差を測るジェンダーギャップ指数において、日本が過去最低の121位、先進国最下位という結果を発表しました。1年前の110位から更に大幅に落ち込んだもので、先進国として状況の把握と改善に力を注ぐべきであると考えます。 第5次練馬区男女共同参画計画が今年度策定されたところですが、それに先立って行われた、平成30年度人権・男女共同参画に関する意識と労働実態調査によると、職場でのハラスメントや家庭でのDV被害は、長年の取組にもかかわらず、練馬区内でも増加傾向にあるとのことです。就労する女性が増え、働き方改革が国家主導で進められている中で、多様な働き方が導入されつつある同じ時期に、それを受け入れるべき社会にまだ受容体制ができていないのではないでしょうか。区の分析と対策についてお聞かせください。 更に、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化の影響を受けて、働き方改革における在宅やテレワーク、短時間労働などのニーズが一気に高まっています。国や都の呼びかけにより、在宅ワークの環境を急いで導入した職場も多く、今後1年間で働く環境は更に変わっていくと考えられます。 感染病と向き合い、あらゆる方法で拡大を防ぐ、この特異な日々が終息したとき、極めて短期間に進展した働き方の多様性は、今後もある程度残るのか、それとも元に戻るのか。また、ジェンダーギャップは減少するのか、それとも更に大きなあつれきを生じさせるのか。それは、自治体によって、もしくは政策によって、結果に差が出るものと考えられます。 直近の願わしくない傾向を謙虚に受け止め、打開の契機とするために、SDGsの目標達成に向け、今、できる限りの啓発と意識改革に努めるタイミングであると考えます。区のご所見をお聞かせください。 また、人口変動に関連して伺います。 新型コロナウイルスの流行を受けて、東京都の人口の推移は転入より転出が多い、転出超過となっています。7月は2,522人の転出超過でした。更に、テレワークやリモートワーク、多様な在宅ワークのスタイルが設けられていることも関係しているのか、郊外への引っ越しや一時的に転居する世帯も発生しており、明確に住民基本台帳上捉えることができる数字以上に、経済活動における負の要素の一因となると考えられます。コロナ以前から使われていたワードである、テレワーク移住も、最近は、コロナ移住とも称され、雑誌に人気の移住先のランキングが特集されているのを見かけます。自治体によっては、それを支援する政策を出していて、地方移住の傾向を後押ししているものと考えられます。 人口の増減、そして年齢層の変動は、区の様々な政策に影響するものです。区内の年齢別人口統計を分析し、目下の重要課題である感染拡大の早期終息に向けての予防政策および支援政策とともに、それを支える財政の動向にも注視していただきたいと考えています。区のご所見をお聞かせください。 次に、新型コロナウイルス感染拡大に関わる取組について伺います。 新型コロナウイルスの感染拡大と予防生活の長期化により、今、地方自治体の存在感がますます大きくなっています。そして、昨今、最も身近で現状を把握しやすい自治体に、独自の支援に取り組む支え手であることが期待されていると感じています。また、それゆえに、自治体ごとの力量が表出する時代でもあります。 練馬区も、この前例のない状況に対応し、多くの前例なき判断とアクションを実行しています。区長の所信においても言及された、感染患者を受け入れている病院に対する経営支援、困窮する区民を支えるための大規模な予算補正、保健所の体制強化などの迅速な対応を高く評価いたします。 しかしながら、今後、長期化が進むにつれ、新たな側面に支援のニーズは広がっていくものと考えられることから、固定概念なき情報収集の下、柔軟に支援策をご検討いただけますようにお願いいたします。 予防生活の長期化に伴い、商店や飲食店などの経営上の厳しさも関係して、区民のメンタルヘルスも心配です。これまでの生活が変わり、人と接することが減り、運動量が減り、食生活が変わり、孤独や失職など、ストレスを伴う突然の大きな生活の変化は、理屈では理解できていても、様々な作用で健康を脅かしかねません。また、関わりを必要とする区民の現状把握や連絡も手厚くする必要があると考えます。新型コロナウイルスの流行が長期化する中での、区のメンタルヘルスケアについて、取組があればお聞かせください。 世界保健機構が、新型のコロナウイルスが検出されたと認定したのが、今年1月14日です。そこから8か月が経過しています。非日常的な生活は、長期化するにつれ、体調に異変を生じやすいことから、日常に近い出来事や、孤独ではないことを感じられるコミュニティイベントなどの、今の時代なりの直接集まらないあり方を模索しつつ、区民の心をつなぎ、声をかけ続ける政策もまた大切であると考えています。 海外の事例を参考にすると、緊急事態宣言下では、学校や福祉施設、病院の屋上からの演奏、団地の前や公園での歌と演奏により、祈りや励ましの声を届けることなどは、民間主導ですが、報道されました。オンラインのコンサートを開催するとしても、演奏する楽器の種類が打楽器やハンドベルなど、工夫されていれば、演奏者の安全も確保できると思います。 オンラインでは、既に様々な講演会、講習会を集会形式からオンラインに変更して開催できていると伺っています。今のところ、あまり参加率が上がらなかったようですが、持続的、定期的に開催することや、同好会など、既にあるコミュニティと区民をつなぐことで、自宅で体を動かしたり、声を出したりする機会となるのではないでしょうか。これからイベントも開催できるようになると聞いていますが、感染拡大には波がありますから、この時代なりの形のコミュニティイベントも新たにご検討いただけたらと要望させていただきます。 教育改革2020の課題と展望について伺います。 教育改革2020が始まる直前の令和元年12月、文科省はGIGAスクール構想を打ち出しました。これは、グローバル・アンド・イノベーション・ゲートウェイ・フォー・オール、例えば日本語指導が必要であったり、発達障害や他の子どもたちとの学習が困難な子ども、特異な才能を持つなど、多様な子どもたちを含め、全ての子どもに届く、個別最適化された創造性を育む教育を実現させる構想です。ICT機器が不可欠なため、1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備を前提としています。この構想は、SDGsの柱であるイノベーション、つまりSociety5.0の推進と、更に同じく柱である、SDGsの担い手としての次世代のエンパワーメントを担うものです。 文部科学省は、当初、教育のICT化に向けた環境整備5か年計画を打ち出し、令和5年までに1人1台のICT端末を用意することとされたのですが、今年4月の緊急事態宣言で臨時休校が長期化し、学習の遅れが心配される中で、遠隔教育など、Society5.0の実現を加速することが急務となりました。それを受けて、今年4月7日付の文部科学省の、「令和2年度補正予算案への対応について」の中では、GIGAスクール構想におけるハード、ソフト、人材を一体とした整備を加速することで、ICTの活用により、全ての子どもたちの学びを保障できる環境を早急に実現すると明記されています。 GIGAスクール構想は、個々の学習の経緯や関心、興味を知ることができるため、それぞれの特徴に寄り添い、また教育とテクノロジーの融合により、教育内容を充実させ、大学などの研究機関向けのビッグデータ、SINET(サイネット)とも連携することで学習情報を高度に増やしていくことが可能な、展望の開けた構想です。GIGAスクール構想を実現、保持させる3つの要素、ハード・ソフト・人材の中の、人材の養成について伺います。区内の小中学校における人材の確保と教員の技術向上のための取組をお聞かせください。 一方で、教育論的観点からは、GIGAスクール構想は、利点もあれば、リスクも少なからずあります。利点として、ビッグデータから興味のある情報を引き出せるので、子どもの傾向や理解度を知ることができ、児童・生徒の指導に用いる情報が増え、一人も取りこぼさない教育の多様性の実現に役立つとされています。 他方、デジタルデータによって認識することに重心が傾けば、やがて個々人と向き合うこと以上に類型分類して教育に当たることにならないか、また、教師の職務が、これをすればよいという画一化したものに変容したり、創造力と研究と子ども一人ひとりへの関わりを重んじてきた教育者のあり方が、ツールの便利さに依存することにより変容したりしないかなど、様々な議論が交わされているところです。 この教育改革は、時代に沿う知識と思考方法の提供をもたらしますが、目標とするところの個々の個性に寄り添った教育から、ともすれば逆行してしまう誘惑を有する可能性もあると指摘する研究者もいます。こういった段階的に応じて想定されるSociety5.0時代の教育における不安点や想定されるリスクを回避するべく、教育者は子どもたちと向き合い、出会い、育むためのツールとして、ICTを有益に用いるにとどめるための研究と努力が必要と考えます。すなわち、技術の養成だけではなく、新時代に沿った形での教師としての力量も必要となると考えます。教員養成の現状と区の所見を伺います。 また、ネットリテラシー教育とウェブ上の情報のリスクについて伺います。 情報は、全てが適切に描写されている真実というわけではなく、場合によっては意図的に価値観を刷り込むなどの知的操作や知的侵略の対象にもなり得るものです。もっと身近なところでは、いじめや排斥を成し遂げるための情報操作なども同種のリスクと言えます。しかし、その情報がどのような傾向を持つ情報であるかを見極めるのは容易なことではなく、児童・生徒には物事を見極めるための基礎的で安全な情報を提供し、まずは自我や世界観を確立する必要があると考えます。 教育の手法の改革は、ある程度様子を見ながらゆっくり進むものと想定していますが、情報の範囲や取扱いについては、早期から、その時々の状況に応じたリスクの認識が必要であると考えます。新しい時代を担う次世代の育成が、子どもたちにとって幸福なものであるように願うものです。区として、ネットリテラシーの水平でのリスクマネジメントについて、ご所見をお聞かせください。 更に、このSociety5.0時代に向かう教育改革には、重要な課題があると考えています。8月28日、衝撃的なニュースが流れました。中国の小中高生の近視率が半年で11.7%増えていることを、中国教育部の新型コロナウイルス対応業務指導グループが発表しました。中でも、小学生は15.2%増加したとのことでした。これを受けて、中国政府はオンライン学習の時間制限を行い、小学生は2時間以下、中学生は3時間以下、高校生は4時間以下を原則とし、動画やビデオを連続で見る時間の長さも制限することを発表しました。ブルーライトの目に及ぼす影響も、将来の目の病気につながることが懸念されています。 また、ICT機器などから放出される電磁波の健康や体調に及ぼす影響についても、日本も含め、国際的に着目されています。1992年にスウェーデンで行われた疫学調査から、電磁波の発がん性が指摘され、欧米ではいち早く、人体への影響を考えて、電磁波防護基準の法制化がなされているそうです。フランスでは、2015年1月に、公衆への電磁波放射を管理する法律ができたことが報道されました。保育園でのWi-Fiを禁止、小学校でのLANは使用時以外は切ること、携帯電話のイヤホン推奨、Wi-Fi提供施設は入り口に明記することなどが指定されています。 日本では、まだ公式に有害性が検証されていないことから、法規制に至っていませんが、子どもたちの周りのツールが変わっていく今、連動して、そのツールの安全性とリスクについて情報を集め、検討する慎重さが必要と考えます。また、省エネの観点からも、子どもたちの安全にためにも、必要のないときはWi-Fiや電子機器の電源を落とすなど、ネット環境についての指針を示すことで、少しでもリスクが軽減すると考えます。また、児童・生徒に対して、ずっと画面を見続けたり、長時間携帯電話で話すことなどについて、自分で健康を守るという意識を養うよう促す教育も必要であると考えますが、いかがでしょうか。Society5.0時代の健康管理とリスク対策について、区のご所見をお聞かせください。 次に、練馬区虐待対応拠点について伺います。 子どもたちの安全を守るための体制強化は、今や社会全体が一刻も早く成し遂げるべき深刻な課題であり、かつ答えやゴールがあるわけではない、たゆまざる熱意と柔軟性を要する事業でもあります。更に、個々の当事者により状況が異なることから、多くの客観的情報や広域な情報の交換が必要であり、時に人命にも関わる緊急性を要します。それゆえ、制度はもちろんですが、何より体制をどのように取るかということが重大な意味を持つ事業であると考えられます。 平成28年の児童福祉法の改正において、子どもが権利の主体であること、意見を尊重されるべきこと、最善の利益を保障されることが理念として明確化されるとともに、東京都が児童相談センターと児童相談所を各地域に設置し、市域も含めた複数の地域をまたぐ形で虐待案件などに対応してきたこれまでの体制から、特別区でも独自で児童相談所を開設できることとされました。世田谷区、江戸川区、荒川区は先行3区として、この4月から、それぞれの区ごとに特徴ある児童相談体制を開始しています。 練馬区は、児童相談所を設置する方向性を取らず、今年7月から練馬区虐待対応拠点事業を始動させて、東京都の児童相談所と練馬区の子ども家庭支援センターが協力して、情報、特性、技術の連携を実現する、独自の児童相談体制強化に乗り出しました。このプロジェクトを実現されたことを高く評価するとともに、今後の展開に期待いたします。 虐待対応拠点となる区の子ども家庭支援センターが移転した現地を見学させていただき、まず感じたことは、ここには今後更なる先進的な体制づくりの展開も可能であるだろうということでした。 計画について初めて説明を受けた当初、結局はそれぞれが分離して、おのおのの業務を行い、何も変わらないのではないか、費用にふさわしい体制強化につながるのだろうかという心配がありました。しかし、走り始めてみると、都児相の職員の現地作業は週1日の予定から、ほぼ連日と充実しており、会議室に設置されたテレビ会議システムを利用して、関係機関との打合せが可能であり、また、心理士が子どもと関わる個室も配慮の下で設置されており、これから都児相の様々なスキルを持った専門の職員とも協力して、お互いにスキルアップし、練馬区において子どもたちが手厚くケアされていく可能性がある新体制であると考えます。拠点が開設されてまだ間もないのですが、都児相との連携の実績や効果についてお聞かせください。 また、区政改革において、データのデジタル化や事務連絡のオンライン化が進められている中、拠点のテレビ会議システムが設置されている会議室は、画期的な空間であると感じました。事業の内容上、迅速な行動と効果に結びつきやすい技術の利用方法であると考えます。今後、更にセキュリティを守った形でのウェブ会議システムなどにより、転入転出時の市区との連絡や、専門家、学校や警察などとの連携など、事業の充実につながる展開を期待いたします。区のご所見をお聞かせください。 子どもたちを守る体制について、特に児童虐待については、今、社会がその深刻さに共感し、各自治体の対策に注目しているところです。練馬区としても、今後のほかの22区と異なる独自の政策を検討しているところであると思います。最後に、区としての子どもを守る取組についての計画と思いをお聞かせください。 児童相談所体制強化の取組について、財政面では人員の増員と建物の維持運営費などの負担も大きいことから、今後、都との協議は無論のこと、区独自のクラウドファンディングなど、様々な財政的工夫を講じることが望ましいと考えます。練馬区の子どもたちが安全な環境の下、心身ともに健康に育っていくために、子育て支援と児童相談体制の更なる向上をお願いいたします。 以上で、ふくし蒼風会の一般質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 練馬区虐待対応拠点についてです。 区内に拠点を設置したことにより、児童相談への対応が改善され、大きな成果を上げていると考えています。例えば、遠距離を理由に児童相談所への来所に難色を示していた保護者について、拠点での面談を実現することができました。また、父親の虐待を恐れて学校からの帰宅を拒否した児童については、児相職員が拠点から学校に直ちに駆けつけ、支援につなげることができました。子ども家庭支援センターの支援を拒否していた低体重の乳児については、拠点でセンターと児相、双方の職員が日常的に協議を重ねながら、見守りを行っています。センターが継続的に関わっていたひとり親家庭については、虐待の悪化を見抜いて、拠点の児相職員と協議、必要な迅速な一時保護を行いました。これらの事例は全て、従前のように都と区が別々に対応していたのでは成果を上げることができなかったものです。 子どもを虐待から守るためには、かねてから申し上げているとおり、区による地域に根差したきめ細かい寄り添い支援と、法的措置を含めた都の広域的・専門的支援の連携が不可欠です。それが実証されつつあると思います。中でも、拠点で都の支援を身近に受けられることが決定的な意味を持つことが明らかになりました。引き続き、拠点を活用した都区の連携を着実に進め、児童相談体制の更なる充実を図ってまいります。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、関係部長から答弁いたします。    〔森田泰子企画部長登壇〕 ◎企画部長 私から、RPAおよび新型コロナウイルス感染症の区政への影響等についてお答えします。 RPA、ロボティック・プロセス・オートメーションは、人間がパソコンで行っていた集計や通知などの定型的な作業を、ソフトウェアを使って自動化する技術です。業務負担軽減による超過勤務の縮減や、効率化による業務委託の見直し、誤入力防止による情報の正確性確保などに効果が期待できます。 今年度は、医療機関等から提出される特定健診結果の確認作業や税業務の入力作業など、11業務にRPAを適用し、作業時間の短縮、自動処理の正確性等の効果を検証しています。今後、導入の効果を踏まえ、適用する業務を順次拡大し、業務の効率化や事務処理ミスの防止を図っていきます。 次に、人口減少等についてです。 新型コロナウイルスは、単に経済にとどまらず、人と人との直接的な交流を基盤とする現在の社会生活のあり方にも大きな影響をもたらしています。練馬区においても、6月以降僅かではありますが、人口が減少しています。この傾向が一時的なものか、コロナ後も継続し社会全体が大きく変わることになるのか、行政として将来を見通すことが極めて困難になっています。 コロナ禍の影響は、既に区財政に及んでいます。財政調整交付金の当初算定額は、昨年度を約90億円下回っています。来年度は、財政調整交付金に加え、税収の大幅減が避けられず、かつて経験したことのない本格的な財政危機に見舞われることを覚悟しなければなりません。 厳しい財政状況下において、優先順位を見極め、必要な施策は時期を逸することなく確実に実行する一方で、聖域なく事業を見直し、歳出を削減しなければなりません。事業の必要性、緊急性を総点検し、アクションプラン、公共施設等総合管理計画事業の見直しを進め、持続可能な財政運営を堅持してまいります。 私からは以上です。    〔堀 和夫総務部長登壇〕 ◎総務部長 私から、男女共同参画と多様な働き方についてお答えします。 世界経済フォーラムがまとめたジェンダーギャップ指数は、153か国の経済、教育、健康、政治の4分野の男女格差を指数化したものです。昨年、わが国の順位が後退した大きな要因は、女性の政治参画度の低下が影響したものと指摘されています。国は、平成30年、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律を制定しており、今後、取組が進むものと期待しています。 区の第5次男女共同参画計画では、「政策等・方針決定過程における男女共同参画」を施策の一つに位置づけ、区の審議会等委員のうち、女性委員の構成比を50%の目標としました。まずは、会議の開催時刻や保育の実施など、参加しやすい条件を整えてまいります。 また、区が実施した平成30年度人権・男女共同参画に関する意識と労働実態調査では、ハラスメントを受けた経験がある人の割合は28.1%となっております。女性への暴力やハラスメント等の防止に対する啓発、相談窓口の紹介、若年層に向けた被害防止のための情報提供を実施してまいります。 新型コロナウイルス感染症拡大により、テレワークや勤務体制の見直し等の新たな働き方など、新しい日常への対応が求められています。区の第5次計画では、「誰もが、性別はもちろん、国籍・年齢・職業・働き方・価値観など、人と人との違いを認め合い、暮らし、仕事、地域における多様な活動への参画や自らの希望に沿った生き方を選択できる、すべての人が輝くまち」を基本理念としています。SDGsのゴールに沿ったものと考えております。 私からは以上です。    〔高木明子練馬区保健所長登壇〕 ◎練馬区保健所長 私から、新型コロナウイルス感染症に関するメンタルケアについてお答えします。 新型コロナウイルス感染症の影響により、未知の感染症への不安に加え、経済的不安や生活の変化などによる悩みやストレスを一人で抱え込んでしまうことが危惧されます。 保健相談所では、保健師が悩みを伺い、必要に応じて精神科医による心の健康相談や、鬱相談につなげています。また、相談機関一覧リーフレットを作成し、区立施設や区内の薬局等で配布しています。 また、産業経済部の融資あっせん特別窓口や福祉部の生活相談窓口などとも連携して、支援に努めます。現在、相談窓口職員向けの手引の作成にも取り組んでおり、悩みを抱える方が適切に支援につながるよう努めてまいります。 私からは以上です。    〔木村勝巳教育振興部長登壇〕 ◎教育振興部長 私から、教育に関する質問にお答えします。 はじめに、教員のICT機器活用技術の向上についてです。 タブレットパソコンをはじめとするICT機器の効果的な活用には、教員の活用技術向上が不可欠です。今年度は、先行してタブレットを配備しているモデル校2校で研究発表会を実施し、タブレット等を活用した授業づくりのノウハウを学べる機会を設けるとともに、全教員を対象としたタブレット操作講習会を実施します。また、学校を巡回して授業等の補助を行うICT支援員を今年度増員し、積極的な活用を促しているほか、ICTが効果的に活用された事例などを収集して情報発信するなど、教員のICT活用技術の向上を図り、利活用の促進につなげてまいります。 次に、教員の指導力の向上についてです。 区では、現在、子どもたちの主体性を引き出し、深い学びに導く学習指導力を高めるための研修や、子どもたち一人ひとりの学習状況等に応じた個別指導の力を高めるための研修など、様々な教員研修を実施しています。今後も、研修内容を時代の変化に沿って充実させ、教員の指導力を向上させていく考えです。 次に、情報活用に関する教育についてです。 ネットリテラシーに関する子どもたちへの指導は、これまでも家庭と連携を図りながら、発達段階に応じて行ってきました。タブレット導入後は、インターネットを用いた調べ学習や、まとめたことを発表・交流する活動などがこれまで以上に盛んに行われることが予想されます。教育委員会といたしましては、子どもたちに情報リテラシーや情報モラルなどを体験的、実践的に学ばせることにより、正しく情報を収集し、適切に判断して活用する力を育てるとともに、責任を持って情報を発信する態度も育成してまいります。 次に、子どもたちの健康管理についてです。 スマートフォンやタブレットなどの情報端末は、長時間の使用によって視力低下等の健康被害を招くことに加えて、睡眠不足により授業に集中できないなどの学習への悪影響が懸念されます。このため、教育委員会では、独自に作成した、SNS練馬区ルールにおいて、利用時間を決めることで長時間利用しないよう注意喚起を行っています。これまで各学校では、SNS練馬区ルールに基づき、学校ルールを作成して子どもたちに指導を行ってきました。 今後は、学校の指導と併せて、家庭における管理やリスク対策も進めていくことが望ましいと考えています。今年度は取組を一歩進めて、全家庭にSNS家庭ルールを作成するよう促しています。 私からは以上であります。    〔小暮文夫こども家庭部長登壇〕 ◎こども家庭部長 私から、練馬区虐待対応拠点についてお答えします。 児童相談体制を更に充実させるためには、区子ども家庭支援センターの充実強化と、都児童相談所との連携強化が不可欠です。このため、本年7月、都児童相談所と区子ども家庭支援センターの専門職員が協働して、児童虐待などに対応する練馬区虐待対応拠点を、センター内に設置しました。おおむね週4日、都児童相談所の職員が虐待相談などに対応しています。 この2か月間に、都区の連携の取組として、ケースに関する情報共有や支援方針の協議を約70回実施したほか、虐待通告に基づく家庭訪問や児童・保護者面接、関係者も交えたケース検討会議、区職員の育成を目的とした研修等をそれぞれ約10回程度実施しました。都と区の専門職員による日常的な情報共有が可能となったことから、速やかな合同訪問や一時保護などにつながり、迅速かつ一貫した虐待対応が実現しています。 次に、テレビ会議システムの活用についてです。 このシステムは、セキュリティの確保された都独自のものです。昨年6月から、都全体の児童相談体制の強化の一環として、東京都が練馬区とモデル事業として試行しており、区子ども家庭支援センターと都児童相談所を専用回線でつないでいます。個別の相談ケースに対する情報共有や支援方針の検討、都児童相談所の専門職員からの助言、指導がリアルタイムで実施でき、家庭や児童への的確でスムーズな支援につながっています。東京都は、都内他区市への試行の拡大を進めています。他区市との連携等、システムの更なる活用については、試行の実施状況を踏まえて対応してまいります。 次に、今後の取組についてです。 区子ども家庭支援センターでは、地域のきめ細かな支援として、親子支援や継続的な関わりが必要な子どもへのサポート、妊娠期からの切れ目のないサポートとして、保健相談所との一体的支援を強化します。都区の連携の下、一時保護された子どもの実態を分析するとともに、一時保護までいかない子どもなどへの対応に努めてまいります。引き続き、地域での子ども、親子の生活を守るため、区ならではのきめ細かな取組を進めてまいります。 私からは以上です。 ○小泉純二議長 以上で本日の日程は終了いたしました。 これをもって散会いたします。      午後4時34分散会 △(イメージ)議席変更表 上のフレームにあります「関連文書表示」ボタンまたは「表示」ボタンをクリックすると案内図等が表示されます。...